■高句麗を舞台にしたドラマで覚えておきたい人物・地域

 ここからは、高句麗ドラマとして覚えておきたい人物・地域などを紹介する。

●ムヒュル(無恤)

 高句麗3代王・大武神王(テムシンワン)。在位:西暦18-44年。2代・瑠璃(ユリ)王の3番目の男子。13年、テソ率いる扶余に攻め込まれた際、奇策でそれを防いだ功績を認められ、翌年には11歳で太子となる。18年、父王の死去にともない、王位を継いだ。戦で領域を拡張した、初期高句麗の基盤を作った王。

●テソ王(帯素王)

 扶余(プヨ)王・クムワの子で、3代王。チュモンの異母兄といわれ、父王の治世、チュモンを殺害しようとして逃げられたことあり。22年、ムヒュル率いる高句麗に攻め込まれ戦死する。ドラマ『朱蒙』同様、チュモンと高句麗にとって、最大の敵。テソ王がで亡くあと扶余は高句麗の支配下に入り、国としては消滅する。

●諸加(チェガ)会議

 国家戦略を審議議決する部族会議。王権が確立していない初期の高句麗では、諸加のほうが力をもち、しばしば王を牽制していた。

●沸流(ピリュ)部

 チュモンの高句麗建国以前に、この地をおさめていた卒本の構成部族のひとつ。『朱蒙』では、ソンヤンという君長が登場していたが、『風の国』のサンガやペグクなど、王家にたちはだかる有力部族として描かれることが多い。ユリ王の最初の妃はソンヤンの娘。建国以降、権力が桂婁(ケル)部に移り、やや力を弱める。その後の時代を描く作品で五大部族の1つとして現れる消奴(ソノ)部は、沸流部の流れ。