●「監獄」ドラマ/『刑務所のルールブック』(2017~2018年)
野球界のスーパースターのキム・ジェヒョク(パク・ヘス)はメジャーリーグ進出を前に、妹を襲った暴漢を瀕死になるまで殴り倒した。実刑判決を受けて刑務所へ。そこは、異次元の世界に住むクセ者ばかりだった。囚人たちだけでなく、看守もまた常識から逸脱していた。たとえば、親切に思えた看守は囚人に恩を売りつけて金を巻き上げていたのだ。
そんな世界には次々と難問が起こるが、ジェヒョクは冷静な判断力と的確な機転で、なんとか困難を乗り越えていく。その際に、濃厚な人間模様がドラマを大いに盛り上げていた。
●「逆転」ドラマ/『ストーブリーグ』(2019~2020年)
韓国プロ野球リーグで万年ビリだった「ドリームズ」に、新しいゼネラル・マネージャー(GM) のペク・スンス(ナムグン・ミン)がやってきた。彼は斬新なやり方でチームの強化に乗り出した。周囲は猛反対だったが、運営チーム長のイ・セヨン(パク・ウンビン)は、やがて理解を示すようになる。
こうして、2人で協力して「ドリームズ」を強いチームに育てていく。特に、様々な問題を抱えた野球選手たちが発想の転換で人生を逆転させていく過程がとてもいい。それを促したのが、ペク・スンスの英知だった。彼に扮したナムグン・ミンの表現力がたまらなく魅力的だ。