韓国ドラマは生半可ではない。執拗なくらい、登場する「人間」とその「関係」を詳細に描いていく。そういう意味では、すべての作品が「人間ドラマ」と言えるのだが、その中でも特別なテーマを持った5つのドラマにスポットを当ててみよう。(以下、一部ネタバレを含みます)

■ドロドロな愛憎劇から逆転劇まで、韓流「人間ドラマ」ベスト5!

●「ドロドロ」ドラマ/『夫婦の世界』(2020年)

 家庭サラン病院家庭医学専門医のチ・ソヌ(キム・ヒエ)は幸せの絶頂にいた。しかし、夫の映画製作会社代表イ・テオ(パク・ヘジュン)は不倫をしており、相手はピラティスインストラクターのヨ・ダギョン(ハン・ソヒ)だ。この3人がドロドロの愛憎劇を繰り広げていく。

 絶対に許せないソヌは、「女の意地」で夫に財産を渡さないで離婚。しかし、それで終わらなかった。映画を成功させた夫が、愛人と生まれた子供と一緒に地元に帰って来た。そこからは常識をはずれた不祥事が連発。物語はどんどん過激になっていった。

●「高慢」ドラマ/『SKYキャッスル~上流階級の妻たち~』(2018~2019年)

 メインの登場人物は超高級住宅「SKYキャッスル」の住人たち。セレブたちが渇望しているのは、子供たちを超難関大学に入学させること。特に、ソウル大学医学部が最高の目標。主人公のハン・ソジン(ヨム・ジョンア)も同様で、夫のカン・ジュンサン(チョン・ジュノ)と一緒に、娘を受験生活に邁進させていく。

 頼りにしたのが、息子をソウル大学医学部に合格させたイ・ミョンジュ(キム・ジョンナン)。彼女の指示をしっかり守ろうとした矢先に、当のミョンジュが不可解な自殺を遂げてしまった。それを契機に、セレブたちの高慢な本性が露骨になっていった。「裕福でも結局は不幸」と思える現実が次々に明らかになる。

●「詐欺」ドラマ/『カーテンコール』(2022年)

 朝鮮戦争の大混乱の中でチャ・グムスン(コ・ドゥシム)は夫と子供と離れ離れになってしまい、1人で必死に韓国で生きて、ホテル「楽園」の会長になった。しかし、余命3カ月になり、北朝鮮にいるはずの息子の子供リ・ムンソンに会うのが最後の願いだった。

 室長のチョン・サンチョル(ソン・ドンイル)が孫を探すとならず者だったので、売れない俳優ユ・ジェホン(カン・ハヌル)に詐欺を働かせて、リ・ムンソンの代役をやらせた。念願がかなったグムスンは大喜びするが、思わぬ展開が待ち受けていた……。キャスト陣にはハ・ジウォンクォン・サンウも加わり、超豪華な顔ぶれになっている。