高句麗の領土を拡大した、19代王・広開土王〈クァンケドワン〉を神の子と設定して描く壮大なファンタジー大作『太王四神記』(2007年)。元祖韓流四天王、ペ・ヨンジュンが韓民族の始祖伝説「檀君〈タングン〉神話」の主人公ファヌンと、その生まれ変わりである王子タムドクを神々しく演じたことはもちろん、今をときめくパク・ウンビンが主要キャストで出演する、お宝的作品でもある。
■歴史ファンタジー大作『太王四神記』は、“チュシンの王”による伝説の神物探しと、広開土王の領土拡大遠征を絶妙リンク
●『太王四神記』あらすじ
遙か昔、神話の時代。天帝ファンインの息子ファヌン(ペ・ヨンジュン)が、雲師(青龍)、風伯(白虎)、雨師(玄武)の三神を連れて地上へ降り、平和な国チュシンを作ろうとする。
その頃の地上は、火の巫女カジン(ムン・ソリ)率いる虎族に支配されていたが、ファヌンはカジンの力を奪って紅玉におさめると、熊族のセオ(イ・ジア)に与え、朱雀の力で南方を守るように命じる。こうして、ファヌンの国は、東方の青龍、西の白虎、北の玄武と四方が守られるようになった。
ところが、嫉妬に燃えるカジンが、ファヌンとセオの間に生まれた赤子を奪い谷底へ。悲しみから黒朱雀となったセオは力が暴走し、チュシンの国を焼き尽くそうとする。ファヌンは天弓(神の武器)でセオを射抜き、民を炎から救うが、愛する人を失ったファヌンは天に帰り、チュシンの民はバラバラとなった。
ときは過ぎ、高句麗17代ソスリム(小獣林)王の時代。長らく高句麗に伝わってきた「真の王とその守護神である四神が復活する」というチュシンの星が輝く夜。王族から2人の王子、タムドクとホゲが誕生する。
“運命の子”でありながら、その事実を隠されていたタムドク(少年期:ユ・スンホ/成年:ペ・ヨンジュン)は、父オジジ(トッコ・ヨンジェ)が王位を継承し、太子となったのちも、離宮で孤独に育つ。ところが、虎族の末裔で、この世の支配を目論む秘密組織・火天会の長(チェ・ミンス)によって神殿に送り込まれた巫女のキハ(少女期:パク・ウンビン/成年:ムン・ソリ)と出会い、互いに心を寄せるように。
一方、“運命の子”として育ったホゲ(少女時代:キム・ホヨン/成年:ユン・テヨン)は、母の死とキハへの恋慕からタムドクを敵視するようになる。そんななか、タムドクはセオの転生で、天真爛漫に生きるスジニ(少女期:シム・ウンギョン/成年:イ・ジア)と知り合うが……。
●『太王四神記』見どころ
領土を拡大した英雄として名高い高句麗19代王・広開土王を神の子の転生として描いた歴史ファンタジー。誰よりも王になることを避けていた青年の覚醒と王への道が、壮大なスケールで描かれる。
ペ・ヨンジュンが演じるのは、韓民族の始祖伝説「檀君神話」の主人公ファヌン、その転生でありながら、愛する人との平凡な暮らしを考えていた太子タムドクの2役。
天界から降り、民を導く神話時代のファヌンの神々しさは格別だ。一方のタムドクは、自分が民が待ち望んでいた“チュシンの王”であることを受け止めたのち、誇り高き王へと成長し、周辺国を圧倒していく。そんなタムドクの変化を繊細かつさまざまな表情で魅せるペ・ヨンジュンを堪能したい。
もちろん、ムン・ソリ、イ・ジアが演じた、前世と今世では違った道を辿る2人のヒロイン、復讐心と報われない愛に苦しむホゲ役ユン・テヨンの熱演も見逃せない。