ヨンレとジョンヒが休みの日にいりびたるDJブースのある喫茶店は、当時の若者に大人気のホットスポットだ。シム・ウンギョン主演映画『サニー 永遠の仲間たち』やクォン・サンウとハン・ガイン主演映画『マルチュク青春通り』にも、こんな喫茶店が若い男女の交流場所として出てくる。
DJブース付きのカフェやバーは、ここ数年の懐古ブームにのってソウルや釜山でも復活している。
第1話の終盤に主人公(キム・ダミ)と親友(シン・イェウン)の二人が互いの夢を語るシーンがあった。
1980年代、日本は目覚ましい経済発展を遂げ、個人主義が発達し、若者が趣味に没頭する余裕があったと聞く。その頃の韓国はというと、多くのドラマや映画で描かれた1980年の光州民主化運動の過剰鎮圧があったように、軍事独裁政権が大手を振って歩いていた。
“漢江の奇跡”と呼ばれた経済発展があり、1981年にはオリンピックのソウル開催が決まったとはいえ、物質的な豊かさは日本とは比べようもなかった。しかし、当時の韓国には夢だけはたっぷりあった。
『100番の思い出』は、今の韓国のように物質的には豊かになっても、その代償として出生率が低下したり、SPEC競争で疲弊したり、自殺率が高まったりすることなど想像もできなかった時代の話だ。最近のドラマでハラハラドキドキ、ヒリヒリが続いた人に視聴をおすすめしたい。
●配信情報
『100番の思い出』
U-NEXTにて独占配信中(毎週日・月曜日配信)
[2025年/全12話]演出:キム・サンホ 脚本:ヤン・ヒスン、キム・ボラム
出演:キム・ダミ、シン・イェウン、ホ・ナムジュン、キム・ジョンヒョン、イ・ジョンウン、パク・ジファン、ユン・ジェムン
(C)SLL Joongang Co.,Ltd all rights reserved.