ソン・ソンミは、その後も、ユ・ジュンサン主演『次の朝は他人』、キム・ミニ主演『夜の浜辺でひとり』『逃げた女』、キ・ジュボン主演『川沿いのホテル』『私たちの一日』、クォン・ヘヒョ主演『WALK UP』に出演し、存在感を示している。
なかでも、『川沿いのホテル』は、ホン・サンス作品の鑑賞デビューにおすすめだ。難解といわれがちな作品群のなかではストーリーがわかりやすく、雪景色のモノクロ映像に清々しい気持ちになる。そして、監督には珍しくキム・ミニとソン・ソンミという二人の女性を美しく撮ろうとしていることがまっすぐ伝わってくる。
日本で『私たちの一日』が公開された2月14日、東京・渋谷のユーロスペースで行われたオンライン登壇は、ソン・ソンミの素の部分を見ることができたようで大変有意義だった。自身で使用しているノートPCだろうか、カメラはややあおり気味に彼女の顔を捉えていた。多くの女優が嫌うアングルであるにもかかわらず、そこには無頓着。通訳者の言葉に耳を傾けるときの真剣な表情と破顔したときの笑顔の明るさのギャップに彼女の人柄を感じる思いだった。
ホン・サンス作品初主演作『彼女が帰って来た日』は今年の上半期に韓国で公開されるという。こちらも楽しみだ。
協力:ミモザフィルムズ
●映画公開情報
監督デビュー30周年記念「月刊ホン・サンス」
『旅人の必需品』『小川のほとりで』『水の中で』『私たちの一日』『自然は君に何を語るのか』
2024年11月~2025年3月、ユーロスペース(東京・渋谷)ほかで順次公開

