●『悪の花』イ・ジュンギ、『善徳女王』イ・ヨウォンと共演した『光州5・18』(2007年)
光州民主化運動の過剰鎮圧を題材にした作品は多いが、本作は民間人と軍人の衝突をクローズアップしている。
アン・ソンギは『ラケット少年団』のキム・サンギョン扮するタクシー運転手が想いを寄せている看護師(イ・ヨウォン)の父親役。思慮深く責任感の強い人物で、市民軍のリーダーとして、無謀な戦いを避けつつも過剰な鎮圧に毅然と立ち向かう男性を好演した。
イ・ジュンギはタクシー運転手の弟役で映画の前半、喜劇から悲劇に転じる重要なシーンに登場する。
●『キル・ボクスン』ソル・ギョング、『ジャスティス -検法男女-』チョン・ジェヨンと共演した『シルミド/SILMIDO』(2003年)
人間の強さも弱さも演じられる。それがアン・ソンギの真骨頂だが、韓国では初めて1,000万人を動員した本作では、北朝鮮の金日成主席暗殺部隊を養成する厳しい訓練隊長を演じた。
冒頭、舞台を率いてランニングする肉体は50代とは思えない。ならず者ばかりの部隊だが、徐々に士気を高め団結し、情を通い合わせる彼らを守ろうとする演技は涙を誘う。
●1990年代のトップスター、パク・チュンフンと共演した『チルスとマンス』(1988年)
アン・ソンギとパク・チュンフン扮する塗装工の先輩と後輩は、作業中のビルの屋上で自身や世の中に対する不満をぶちまけていたが、それが機動隊をも巻き込む騒動に発展してしまう。
アン・ソンギ扮するマンスは黙々と仕事に精を出すタイプなのに、後輩チルスの悩みごとを聞いているうちに感極まり、屋上から市井の人々に向かって思いの丈を吐き出すシーンは、韓国映画史に残る名場面のひとつだ。

