仮眠ができるベンチには、テーブル代わりに使えるスペースがある。ほかのベンチでは、そこに食べ終わったカップと缶ビールが置かれている光景も見かけた。空港のコンビニでこれらを買ったはずだった。ソウルはホテル代が高いから、ホテルに泊まらずに空港で仮眠。食事は空港のコンビニで買う。こうすれば治療代と航空券を合わせて5万円ほどですむ美容皮膚科弾丸旅が可能になるわけだ。

 仁川国際空港の第1ターミナルの到着階は、弾丸旅を実現する最低限の施設がそろっている。体を横にできるベンチ、コンビニ、トイレ……。無料Wi-Fiがあるから、ユーチューブなどで暇をつぶすことができる。地下には24時間営業のサウナもある。

 後で調べると、僕が空港で仮眠をとった前日には、ソウル近郊でBTSコンサートがあった。空港の仮眠スペースを埋めていた日本人は、美容皮膚科組よりコンサート組の方が多かったのかもしれない。空きベンチが残り少ないほど混んでいた理由がわかった。

 僕はベンチで1時間ほど寝た。少し軽くなった体でエアプレミアのチェックインをすませ、成田国際空港には午前中に着いた。エアプレミアは座席間隔が広いからよく眠ることができる。おそらく軽食のサービスもあったはずだが、それも知らず、昏々と寝入ってしまった。