■氏神様は「町のお医者さん」

 

石切劔箭神社(大阪府)

「でんぼ(腫れ物)」にご利益で名高い石切劔箭神社のような「専門医」も。

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 さて、数え切れないほどいるという神々には、それぞれ得意分野があります。

 

 総合病院をイメージしてみてください。たくさんのお医者さんがいて、診療科ごとに分かれています。 たとえば転んだ時に、骨折か捻挫か、どうすればいいかなどと、産婦人科の先生ではなく、整形外科の先生に相談しますよね?

 

 同じように、神様にも得意分野があります。縁結びが得意な神様、商売繁盛の神様、勝負ごとに強い神様など「餅は餅屋」のように専門家にお任せするほうが早く確実だということです。

 

 ところが、専門医が近所にいるとは限らないのと同じように、今お願いしたいことがちょうど得意な神様の神社が近所にあるとは限りません。ある分野を得意とする神様の神社や、そうした神々を祀る神社の大元である総本社へ、西へ東へと遠路はるばるお参りするのもよいですが、なかなかに大変ですよね。

 

 そんなときにも、氏神様にお参りすることをお勧めします。氏神様は、いわば町のお医者さんのような存在なのです。その土地を管理していて、いろいろな相談に乗ってくれる町内会長や大家さんといってもいいかもしれません。

 

■日頃の“神様付き合い”も大事

 

参拝のイメージ写真

引っ越したらまずはその地の神様に「どうぞよろしく」とご挨拶。

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 氏神様は、その地域の担当神なので、ちょっとした悩み事、困りごとなども相談したりご報告するとよいでしょう。神様には神様のネットワークがあり、氏神様が窓口となって専門の神様につないでくださります。無理せず、またあきらめる必要もなく、近所の氏神様を頼ってみましょう。

 

 引っ越しをしたときは、その新しい土地をお守りしてくださっている氏神様に、

 

「この度、〇月〇日に〇〇町〇番地の○○マンション〇〇号室に引っ越してきた〇〇〇〇(名前)、生年月日は〇年〇月〇日です。どうぞよろしくお願いいたします」

 

 といった具合に具体的に挨拶します。

 

 長年住んでいるのにまだご挨拶してなかった、という場合にも、「〇〇年から、〇〇町〇番地の〇〇マンション〇〇号室に住んでいる〇〇〇〇(名前)、生年月日は〇年〇月〇日生まれです」とご挨拶します。そうすると、氏神様の帳簿に登記されます。

 

 通勤通学やお散歩の途中に氏神様の神社に寄って、ちょこちょこご挨拶するのも大事です。人付き合いと同じで顔を覚えてもらえれば、神様も「今日はどうした?」などときっと気にかけてくださります。どんどん親しくなって、ただ行くだけでも癒される場所になっていきますよ。