前回は、「私の人生崖っぷち!」と精魂尽き果てたときに頼るべき神様としてオオクニヌシをご紹介しました。ブラック企業さながらの迫害や試練を乗り越え、日本の国土を造り、あらゆるご縁を結ぶ神々の議長となったオオクニヌシに、「人生詰んだわ……」という状態のときこそご相談しましょう、というお話でした。
今回は、もっとピンポイントに「このご縁をつなぎたい」「あのご縁は精算したい」という人にお薦めしたい神様をご紹介します。
■「一線は越えていない」というが

会社員の彩さん(仮名・40代)は、取引先で働く同世代の聡さんと仕事を通して意気投合し、互いの人となりに惹かれて、いつしかお互いがなくてはならない仲となっていきました。
ともに家庭のある身で、本気なのか冗談なのか「一線は越えていない」と芸能人や政治家のようなことを笑いながら言っていましたが、お互いに向け合う眼差しやちょっとした仕草はとても仲睦まじい様子で、「これはいわゆる道ならぬ恋……」と私は理解しました。
こうなってしまうと頭の中はお互いのことばかりです。彩さんは家事の分担などで夫への不満を感じることはあっても、大きな問題を抱えているというほどではありませんでした。それが、他には考えられないというほどの人に出会ってしまうと、いろいろとストレスに感じるようになりました。
■ますます相手にのめり込んで…

生活の中の細々したことよりももっと大きな、生き方とか価値観の部分のすれ違いを、半ばあきらめて飲み込んできたことに気づいてしまいました。20代で結婚した頃は気にならなかったことが、仕事が充実し、世界が広がっていくにつれて、その隙間がどんどんと大きくなってきたように思えるのでした。
そのうち、家庭生活を続けることすら苦しくなってしまった彩さん。聡さんも同じように感じており、ますます気持ちが通じ合った気がして、それぞれ今の結婚を解消して、好きな人と一生をともにしたいと真剣に考えるようになりました。
しかし、わざわざ家族に「ほかに好きな人ができた」と打ち明けることには、2人ともためらいがありました。そんなことをして、なるべく傷つく人を少なくして別れられるのだろうか。結婚生活の解消は思ってた以上に簡単ではない気がしてきたそうです。