■こんな時でも助けてくれる神様?

にっちもさっちもいかなくなった彩さんは……。
(写真はイメージ)画像:shutterstock
結婚生活を解消したいのなら潔く現実を打ち明ければ……という考え方もあるでしょう。しかし、2人はできるだけ誰も傷つけずに別れたいと思っていました。とはいえ、そんな都合よくいくはずもなく、ただ時だけが過ぎ去っていきました。
円満に別れて相手といっしょになろうなんて甘いの……? と思い詰めた2人は「助けてくれる神様はいないでしょうか」と私に相談してきたのです。
正直なところ、私はどうしたものかと思いました。どちらにも家庭があるわけで、法的にも道義的にも非があるのは彩さんとされるでしょう。
それでも2人のとても真剣な様子を見て、「そうしたことも含めて神様が判断するだろう」と私も腹をくくってご紹介したのが、ククリヒメノカミという神様です。

ククリヒメノカミは全国の白山神社に祀られている白山比咩神(しらやまひめのかみ)と同一神とされ、縁結びの神として古くから信仰を集めてきました。総本社の白山比咩神社のある石川県は彩さんの出身地でしたので、「ククリヒメ様にお願いしてみては」と勧めてみたのです。
すると、私も想像していなかった展開が待っていたのです──。
■夫から「結婚解消」の申し出が

北陸の霊峰・白山。白山比咩の信仰もここから始まったとされる。
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彩さんは石川県へ帰省するたびに白山比咩神社へお参りし、全てが円満に解決し、正式に聡さんと一緒に生活できるようお願いをしたそうです。その間も家族や周囲にはバレないよう細心の注意を払い、いつか結ばれることを願っていました。
そんなある日、なんと彩さんの夫から結婚解消の打診があったというのです。彩さんの何かがバレたとか、彩さんの言葉や態度が無意識に嫌がらせになっていたとかなら慰謝料などの請求があってもおかしくありません。
しかし、そうしたこともなく、彩さんが感じていたようなお互いのすれ違い、価値観の違いなどを理由に、夫のほうから「それぞれ別の人生を」と提案してきたそうです。
これもククリヒメノカミの御神徳によるものなのかもしれません。次回からは、「不要になった縁」を解き、新たなご縁を結ぶククリヒメノカミの御神徳の由来についてご紹介します。
【第8回 イザナキとイザナミの夫婦喧嘩を「たったひと言」で仲裁した謎の神ククリヒメノカミ】は6月7日18時公開予定