■両面焼きの目玉焼きが目立つ理由とは?

 日本の知人に指摘されて気づいたのだが、韓国では「両面焼き」をよく見かけるという。そう言われてみればそうかもしれない。『トンケの蒼い空』に出できたのも両面焼きだった。私がよく行くシュポ(一杯飲める食料雑貨店)でも一番安いつまみは目玉焼きだったりするのだが、確かに両面焼きが多い。

世運商街の近くの工場街にある大衆食堂の両面焼き

 片面焼きと比べると見た目はよくない。しかし、酒場でも家でも料理をする人は忙しい。しかも韓国人は作るほうも食べるほうもせっかちである。両面焼きは文字通り表と裏から火が通るので、すぐ焼いて出せるというわけだ。

 私は酒場では黄身が垂れてくる半熟より、ほどよく両面焼きしたものが好きだ。食事なら垂れた黄身をごはんで受けることができるが、飲み屋では皿から直接箸で口に運ぶことが多いからである。

鍾路3街にある大衆酒場の両面焼き
乙支路4街にあるシュポの片面焼き