■イ・ジュンギ演じる主人公の魅力、家族への深い情愛と圧倒的な切なさ

 序盤の展開から考えると、物語はサスペンス色が強くなっていくのだが、『悪の花』のイ・ジュンギにはサスペンスというジャンルにはとどまらない魅力があるという。

「『悪の花』は面白いことに、視聴者にはかなり早い段階で、イ・ジュンギ演じるヒョンスの妻に対する愛がバレバレになってしまうんです。明確に言葉にするわけではないのですが、言動のひとつひとつが『それって愛じゃん!』ということだらけで、憎めないわけです。なのに、当の本人がそれを愛と気づいていない。そのあたりの描写が実に上手いのです。

 イ・ジュンギは一人娘を持つ父親役でもあるので、パパとしての表情も萌えどころですし、愛だと気づかず妻を案じ続ける姿も愛おしいです。加えて彼が過去の殺人事件に関わっているか、否かという真実を追うストーリーもあり、非常に見応えがあります。

 とくに中盤以降、妻との関係が危うくなっていくなかで、イ・ジュンギが見せる主人公の変化は切なく胸をしめつけられます。その圧倒的な切なさの演技の魅力を感じてほしいです」(同編集部・高橋氏)

 ちなみに、本作の演出を手掛けたのは、ロマンス史劇『赤い袖先(原題)』で韓国で大ブレイク中のジュノ2PM)と、『梨泰院クラス』でパク・ソジュンと敵対する強烈な悪役を演じた名優ユ・ジェミョンがタッグを組んだ法廷ドラマ『自白』のキム・チョルギュ監督。演技巧者を配置し、人物たちの心理・心情に迫っていく演出に定評がある名監督だ。イ・ジュンギのファンだけでなく、クオリティーの高い心理ドラマを好む人もハマるだろう。

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