韓国トップ俳優イ・ジュンギが新境地を開拓したサスペンスロマンス『悪の花』は実に奥が深い作品だ。過去の連続殺人事件を背景にしたサスペンスで、1話からまさかの展開で目が離せない。しかしサスペンスでありながら、観ていくにつれて、イ・ジュンギ演じる指名手配中の容疑者ヒョンスと、その妻で刑事ジウォン(ムン・チェウォン)が繰り広げる切なく苦しいメロロマンスに引き込まれていく。
彼の愛は本物なのか、彼は何者なのか、彼を信じていいのか……。観ている我々も悲しい愛と裏切り、隠された真実に翻弄されていくのだ。
■イ・ジュンギとヒョンビン、同年代で同時期にブレイクした2人の進化
イ・ジュンギは1982年4月17日生まれ。『愛の不時着』のヒョンビンとソン・イェジンのカップルと同年代だ。
2005年、ドラマ『私の名前はキム・サムスン』でブレイクしたヒョンビン。その同じ年に、イ・ジュンギは大ヒット映画『王の男』でスターダムにのし上がった。その後のヒョンビンとイ・ジュンギの活躍は説明するまでもないが、若い頃から今現在に至るまで、2人が韓流トップ俳優として輝き、進化し続けていることはとても感慨深い。
イ・ジュンギを長年にわたって取材してきた『韓国TVドラマガイド』チーフ・エディターの高橋尚子氏は、『悪の花』のイ・ジュンギの魅力についてこう語る。
「イ・ジュンギは、これまでも『麗<レイ>〜花萌ゆる8人の皇子たち〜』や『無法弁護士〜最高のパートナー』など、過酷な運命を背負う孤独なキャラクターに定評がありました。『悪の花』でも連続殺人鬼の父を持ち、一家離散した残酷な過去を封印し、違う人物として生きています。
ですが、これまでと明らかに違うのは、彼が自分の人生を守るために、ヒロインを騙しているのか否か、つまり悪なのか否か、という点がわからないところです」(同編集部・高橋氏)