■韓国トップ女優キム・ヘスをはじめ、徹底したキャスティングによる説得力

『未成年裁判』はキャスティングの力も大きいと、ユン氏は語る。

 判事を演じているキム・ヘスは、1970年生まれ。華やかなルックスと確かな演技力を併せ持ち、アクションまでこなす韓国のトップ女優だ。

 10代で芸能界入りしたキム・ヘスは、これまで恋愛ドラマのヒロインから時代劇の美貌の主人公まで、様々な役を演じてきた。ペ・ヨンジュン主演の『愛の群像』(1999年)では、キム・ヘスはヒロインの大学の非常勤講師役で、ペ・ヨンジュン演じる年下の主人公を巡って、日本でもタレントとして活躍したユンソナと切ない三角関係を演じていた。いわゆる年上ヒロインの走りで、韓流ブーム初期の作品の中でも、この時のキム・ヘスの大きな瞳と憂いある表情、しっとりとした色気がある佇まいは今も強く印象に残っている。

 最近では、日本でも坂口健太郎主演でリメイクされた『シグナル』(2016年)の女性刑事や、『ハイエナ-弁護士たちの生存ゲーム-』(2020年)の弁護士、そして今回の判事など、個性的で強い印象の役どころが多い。

Netflixシリーズ『未成年裁判』独占配信中

「一人として作品の意図から離れたズレた演技をする俳優がいない、徹底したキャスティングも、このドラマに説得力を持たせた最も大きな要因であることは間違いないでしょう。そのなかでも芸歴があと少しで40年になるキム・ヘスの一切の無駄を省いた演技は光っていて、早くもシーズン2を期待させます」(ユン氏)

 観た人が周囲に薦めたくなるという『未成年裁判』。Netflixシリーズ『イカゲーム』『地獄が呼んでいる』などにハマった人にもぜひ観てほしい、この春一番の注目韓国ドラマだ。