■Netflix話題作『社内お見合い』ヒロイン役のキム・セジョンもアイドル出身
新進女性演技ドルとして注目株といえば、1987年のソウルを舞台にした切ないラブロマンス『スノードロップ』で演技初挑戦したBLACKPINKのジスだ。民主化運動の渦中という重いテーマ、演技派チョン・ヘインの相手役というプレッシャーも多かっただろうなかで、ひたむきに演技に臨む姿はヒロイン像にリンクするものがあった。
日本でもNetflixランキングトップ10を連日更新中の『社内お見合い』で、気難しいイケメン社長の偽恋人を演じるハメになるヒロインを体当たりで演じているキム・セジョンは、元ガールズグループgugudanのメインボーカルだったアイドル出身女優。現在はソロ歌手として活動する一方で、ドラマやミュージカルで演技にも挑んでいる。
同じくNetflixで人気の『二十五、二十一』で、フェンシング界のスターを演じ、10代の複雑で繊細な感情を体現しているのが、宇宙少女のボナだ。キム・テリ演じるヒロインとのライバル関係や育まれていく友情も胸アツもので、ビジュアルはもちろんその安定した演技力に注目が集まっている。
彼女たちの前から、演技ドルとして道を切り開いてきたのが少女時代のメンバーたちだ。ユリは史劇ロマンス『ポッサム~愛と運命を盗んだ男~』で王女スギョンを好演。スヨンは『だから俺はアンチと結婚した』や『ムーブ・トゥ・ヘブン:私は遺品整理士です』などラブコメからヒューマンまで幅広いジャンルをこなしている。さらに、ユナはイ・ジョンソクの除隊復帰ドラマとして注目を集めている『ビッグマウス』(今年上半期放送予定)で彼の妻役にキャスティング。それぞれが、いまなお一線で活躍しているのも素晴らしい。
もはや演技ドルという枠にはおさまらないトップスターとして、IUの存在も忘れてはならない。史劇ロマンス『麗<レイ>~花萌ゆる8人の皇子たち~』ではタイムスリップするヒロイン役、感動号泣のヒューマンドラマ『マイ・ディア・ミスター~私のおじさん~』では辛い過去を持つヒロイン役など、毎作ごとに違う魅力を発揮。女優として高い評価を受け、是枝裕和監督の新作映画にも抜擢されている。
女性演技ドルの躍進が、今後の韓国ドラマ界にさらに活力を与えていくことは間違いない。