ヨム家の父親ジェホ(チョン・ホジン)は木工の工場を経営している働き者だが、無口で食事は黙って済ませろというタイプ。母親のヘスク(イ・ギョンソン)は常に仏頂面で笑顔は皆無だ。

 ソウルへの通勤を苦にしている子供たちはどうか。一番上の長女ギジョン(イエル)は調査会社に勤めているが、絶えない不満と満たされない欲望で毎日を暮らす女性。二番目の長男チャンヒ(イ・ミンギ)は、コンビニの運営会社に勤めているが、出世を望みながら思うようにいかず、目の前で起こることに苛立ちを募らせている。

 以上のヨム家の4人は「家族団らん」という雰囲気から遥かに遠い人たちだ。

 しかし、末っ子のミジョン(キム・ジウォン)はちょっと違う。彼女は心の解放を望んでいる。ソウルでデザインの仕事をしているが、束縛された自分の人生をなんとか新しい方向に打開したいと願っているのだ。
そんな彼女が興味を持ったのが、離れに住んでいて父の仕事を手伝っている「ク」という男だ。

 ミジョンは家族に言えない借金を抱えている。銀行から送られてくる借金の通知を見られたくなかったが、そのことで「ク」に助けてもらった。そこから、ミジョンは「ク」に興味を持ち、「私を崇めて」と言い放つほどミジョンは「ク」に近づいていく。

 すると、徐々に彼が心を開いてくる。そこから、重く苦しかったストーリーの扉が開き、世間から隠れざるをえなかった男の苦悩が浮かび上がってくる。

 同時に、安らぎも増えてきた。特に、ミジョンと「ク」が2人で過ごす時間は、ドラマを見ている人にとっても「心の解放」につながってくる。

 しかし、新たな不安も生じる。それは、「ク」の素性がもたらしてくるものだ。

 ドラマの後半に向けて、「ク」が何者であるかが徐々にわかってくる。それは、ミジョンにとって望ましい「解放日誌」になるのかどうか。見逃せない展開だ。

『私の解放日誌』画像:JTBC