日本の関東地方は早くも梅雨明けし、すでに夏休み気分だと聞いた。ノービザ訪韓を待ちながら、韓国旅行の計画を立てている人も多そうだが、先日20話が完結した韓国ドラマ私たちのブルース』を観ていた人は、当然済州(チェジュ)が視野に入っているだろう。

 私も昨年の秋、釜山取材のあと済州に渡ったばかりなのだが、この『私たちのブルース』で済州の美しい風景を見たら居ても立ってもいられなくなった。

 そこで今回から数回に渡り、全羅南道木浦から南に約140キロ離れた島、済州の魅力をお伝えしよう。

済州の空港を出ると南国らしい風景が迎えてくれる

■済州って、どんな島?

 日本の旅行者とともに飛行機で済州に着陸するとき、その地上風景と島中央にそびえる漢拏山(ハルラサン)を見て、「こんな大きな島とは知りませんでした」と驚く日本人が多い。

 済州の面積は四国の香川県くらいで、緯度は九州の佐賀県くらい。気候が温暖なので韓国では唯一デコポンやミカンなど柑橘類が獲れる。

『私たちのブルース』の主人公の一人、ウニ(イ・ジョンウン)の鮮魚店がそうだったように、済州は島ならではの海産物が豊かで、太刀魚やアマダイ、スズメダイ、アワビなどが有名だ。

済州の市場でよく見かけるチャリドム(スズメダイ)
チャリドムを甘辛く煮たものはつきだしとしてよく出てくる

 島の主な市街地は、空港のある北側の済州市と南側にある西帰浦(ソグィポ)市の2エリア。済州市エリアには高層ビルや大型ショッピングモールなどがあるのに対し、西帰浦エリアは全体的に鄙びている。『私たちのブルース』の登場人物の生活圏は当然、西帰浦エリアにあった。架空のプルン村も島の南側にあると見てよいだろう。

済州市内はちょっとしたビル街なので、鄙びた離島を想像してくると驚くかも
済州空港からタクシーで5分のところにある高級ホテル、ロッテシティホテル済州