Netflixで話題の韓国ドラマペーパー・ハウス・コリア:統一通貨を奪え』では、主演のユ・ジテチョン・ジョンソパク・ヘスをはじめとする、強盗団を演じる個性的な俳優たちが注目されている。

 なかでもストリートファイター出身の"デンバー"を演じたキム・ジフンは、その美貌と鍛えられた筋肉、荒々しいキャラクターが大きな話題となっている。

 しかし、筆者が注目したのはデンバーではなく、彼をおおらかに見守る父親"モスクワ"を演じたイ・ウォンジョンだ。

■『ペーパー・ハウス・コリア』で注目のベテラン俳優イ・ウォンジョンとは?

 イ・ウォンジョンは1966年生まれで、1990年代前半に映画デビュー。バイプレーヤーとして40作以上の映画に出演している彼の初期の役柄の多くが、「無骨」「大味」「知性から遠い」キャラクターだった。

『ペーパー・ハウス・コリア:統一通貨を奪え』の強盗団の一人、モスクワは慶尚北道の聞慶(ムンギョン)出身という設定だった。写真は聞慶の観光名所のひとつ、旧・加恩(カウン)駅。現在はカフェになっている
モスクワは元炭鉱夫で穴掘りが上手いため、強盗団の逃走路を掘る役割が与えられていた。モスクワの出身地である聞慶には日本植民地時代から炭鉱があり、現在は閉山になっているが、炭鉱博物館が当時の様子を伝えている。写真は筆者が江原道道渓の炭鉱(現役)を訪ねたときのもの
江原道道渓の炭鉱の坑道。炭鉱は今も女人禁制なので、筆者の事務所代表(日本人男性)がトロッコで下りながら撮影した