Netflix韓国ドラマ『D.P. -脱走兵追跡官- 』は軍の脱走兵を追う兵士を描いた骨太な社会派ドラマで、タイトルの「D.P.(Deserter Pursuit=脱走兵の追跡)」は、韓国陸軍憲兵隊の部署の名称だ。韓国エンタメ界最大のアワード第58回『百想芸術大賞』3冠を始め、数々の賞を受賞するなど高い評価を受けて、現在シーズン2も制作中だという。
テーマがテーマだけに全編息苦しさから逃れられない内容だが、3話の主人公ジュノ(チョン・ヘイン)と先輩ホヨル(ク・ギョファン)の釜山出張シーンは、気分を変えさせてくれるサービスカットだった。
青い空と海。オープンエアの観光バスが海雲台方向から広安大橋(ダイヤモンドブリッジ)を渡る。2人の背後にはマリンシティの高層ビル群。バックには釜山の名所、海雲台、広安里、冬柏島、南浦洞、チャガルチなどを連呼するベタな観光誘致ソング「Busan Vacance」が流れている。
ホヨルは、「(海雲台名物の)アムソカルビでも食べるか?」と完全に旅行気分だ。ジュノは「(脱走兵を捕まえに来たのに)こんなんでいいんですか?」と戸惑っているが、2人とも釜山名物のオムクバー(串おでん)をかじっている。どう見ても羽目を外しすぎなのだが、ふだん閉鎖的な軍部隊でイヤな先輩や上官に虐げられているので、観ているほうも、母親のような気持ちで許してあげたくなる。