日本で韓流ブームが巻き起こって約20年。韓国ドラマの人気とともに歩んできた韓流エンタメ情報誌『韓国TVドラマガイド』の表紙を飾ったスターたちを、当時のエピソードなどを交えて振り返っていくシリーズ。

 今回は、2022年2月発売の99号、そして記念すべき創刊100号(2022年8月発売)を紹介します。

ジュノ2PM)が語った時代劇『赤い袖先』主演イ・サン役への思いとは?

『韓国TVドラマガイド』99号(2022年2月発売)の表紙はジュノ(2PM)。最新作『赤い袖先』のスペシャルインタビューを掲載しています。

 同作でジュノが演じたのは、朝鮮王朝史上もっとも波乱に満ちた生涯を送り、数々の功績を残した名君イ・サン(第22代国王の正祖〈チョンジョ〉)です。大ヒット時代劇『イ・サン』(2007年~2008年)のイ・ソジン、映画『王の涙 -イ・サンの決断-』(2014年)のヒョンビン、映画『王の運命-歴史を変えた八日間-』(2015年)のソ・ジソブなど、数多くの名作でトップスターたちが演じてきた実在の人物。

 ジュノ自身もインタビューで、「(イ・サンは)韓国人から非常に愛されている王で、多くのドラマや映画で描かれてきたので、そのイメージを最大限守ろうと努力しました」と、イ・サン役の重さを語っています。その上で、史実に残っているイ・サンの人格や性格をベースに、ジュノ自身の性格を取り入れてリアルに描写したいと考えたそう。

「正祖という人物を勉強しながら自分と似た部分を見つけられたことが演技に役立ちましたし、そのおかげで役柄により愛情を持つようになりました」(ジュノ)

『赤い袖先』ではイ・サンのひたむきな初恋とロマンス、やがて訪れる悲しき宿命を描いています。イ・サンが一途に愛した宮女ドクイム(イ・セヨン)のモデルは、のちに側室となる宜嬪ソン氏。イ・サンがドクイムに見せるツンデレな愛情表現には心がときめきます。

 インタビューで、ジュノにドクイムとのシーンで印象に残っているセリフを尋ねると、「私がお前に惑わされたのか、お前が私に惑わされたのか」という5話のセリフを上げてくれました。この5話は特に印象に残っている話なのだとか。

 また、同作のチョン・ジイン監督にもインタビュー。映画『二十歳』を観た時から、ジュノとはいつか一緒にやってみたいと思っていたそうで、この作品を引き受けてくれたことへの喜びと感謝を語ってくれました。虎狩りのエピソードでの火のついた矢を放つ場面は、代役を立てるつもりが、直接自分で討ちたいと固い意志を見せたジュノを信じて任せたのだとか。実際カッコよくこなしたジュノは、まさに有言実行の人なのでしょう。

 胸しめつけられる純愛の物語と俳優たちの名演によって、韓国ドラマ界に残る名作となった『赤い袖先』。MBC演技大賞8冠のほか、ジュノは韓国エンタメ界の最大アワードである百想芸術大賞で最優秀男性演技賞とTikTok人気賞の栄誉ある2冠に輝き、演技者としての実力とスターとしての人気の両方で、最高の評価を受けました。

『韓国TVドラマガイド』(99)表紙ジュノ(2PM)