たとえば、突然の結婚を前に浮足立つラジオプロデューサーのスンヒョ(キム・ヨングァン)とピアニストのヨンジュ(コ・ソンヒ)、ようやく人気スターになったが所属事務所の問題で悩むイ・ガン(ソ・ガンジュン)、40年ぶりに初恋の人に会って落ち着かないドアマンのサンギュ(チョン・ジニョン)、毎週土曜日にホテルでお見合いをして断られ続けている整形外科医のジンホ(イ・ジヌク)など。
前半を見ていると、「人生はうまくいかないなあ」と同情してしまう。願うことがなかなか実現できないのだ。
けれど、後半に入ると、それぞれの事情に変化が現れる。まるでホテル「エムロス」が幸福感の配給元であるかのように……。
どんなにうまくいかないことも、ちょっとしたきっかけがあれば、そこにある風景が変わってくる。それを映画はスリリングに見せてくれる。そんな中で、ユナ(少女時代)も「とっておきの場面」で颯爽と登場してくる。