★見どころポイント〈3〉夫婦だけでない!周囲のキャラクターとの関係性に萌える

 ヒソン=ヒョンスと因縁を持ち、彼の過去を知る記者ムジン。互いに弱みを握る2人は、ある取り引きのもと協力し合う「呉越同舟」の関係に。やいのやいのいがみ合う2人の間には、やがて奇妙な絆も? ムジンは敵か、味方か。ある種の“ブロマンス”も見どころになっている。

 ムジン役のソ・ヒョヌは本作で注目され、『エージェントなお仕事』(2022年)ではメインキャラクターの1人、芸能事務所の人のいいマネージャーチーム長、キム・ジュンドン役で、これもまたいい味を出していた。

 そして、もうひとりの重要パーソンが、18年前の事件により生き別れたヒョンスの姉ヘス(チャン・ヒジン)だ。決して真実を語らないヒソン=ヒョンスと、必死で弟をかばうヘス。姉弟が隠す真実の互いの本心も注目ポイントに。なにより、ヘスの前では「弟」の顔になるヒョンスがいい。

 ちなみに、ヒソンとしては妻ジウォンより2歳年上という設定だが、ヒョンスは彼女より1歳年下。実は“弟キャラ”“年下キャラ”として、ヒソン=ヒョンスを見ていくと、母性本能がよりくすぐられる。

 そのほかにも、『賢い医師生活』の救急医学科ポン教授役や『私たちのブルース』の氷屋店主ホシク役などで知られる名脇役チェ・ヨンジュン、『愛の不時着』や『ウ・ヨンウ弁護士は天才肌』のチェ・デフンが脇を固める他、『ペーパー・ハウス・コリア:統一通貨を奪え』のキム・ジフンが物語の大きな鍵を握るキャラクターとして強烈な印象を残す演技を魅せている。

 演出は、『自白』のキム・チョルギュ。キャラクターの心理を浮き彫りにするような繊細かつ斬新な描写に定評があり、本作でもハッとさせられること度々だ。脚本も最後まで破綻がなく、最終話の描き方も秀逸。見終わったあと深い余韻を残す1本になっている。

『悪の花』画像出典:tvN