実は、この年末年始に、そんな北朝鮮の鉄道シーンが撮影されたモンゴルを旅してきた。モンゴルは、1990年代初頭まで社会主義国家だった国。実際に訪れてみると、平壌駅として撮影されたウランバートル駅も、ジョンヒョクとセリが乗った列車も、社会主義の薫りがどことなく残り、確かに北朝鮮っぽいのかもなぁと思わされた。
目を引いたのは、社会主義っぽい雰囲気の駅舎に、韓国のコンビニのCUが入っていたことだ。店内では、モンゴルの若者たちがこぞって韓国ドラマの登場人物も大好きな韓国のカップラーメンを食べていた。
ウランバートル駅から列車に乗って、車掌さんにコーヒーを頼むと、これまた韓国ドラマでおなじみの黄色のパッケージのスティックコーヒーと紙コップを手渡された。車内に設置された給湯器のお湯を入れて飲めとのこと。ん-甘い、まさに韓国の味!
結局、列車が立往生したシーンの撮影ポイントはわからなかったが、雪景色とはいえ、車窓の風景は劇中と同じようなどこまでも続く平原ばかり。あの彼方から物売りたちが走ってやって来るんじゃないかと何度も妄想してしまった。
『愛の不時着』の北朝鮮の鉄道シーンが撮影されたモンゴルの風景の中で、韓国ドラマを感じるという不思議な体験だった。そういえば、「間違えて乗った汽車が時には目的地に連れて行ってくれる」という名台詞も、“旅韓ドラ”的だったなぁ。『愛の不時着』をまた最初から観返したくなった。