韓国の時代劇には、実在の人物を扱いながら、大胆な創造と解釈で、ドラマチックに描いたものがたくさんある。

 たとえば、パク・ソジュンパク・ヒョンシクミンホSHINee)、VBTS)らが、新羅時代の美男揃いのエリート集団、花郎(ファラン)を演じた、青春時代劇『花郎<ファラン>』。

 この作品の実在の人物といえば、パク・ヒョンシクが気品を漂わせて演じていたジディことサムメクチョン、つまり新羅の第24代王・真興(チヌン)王だ。

 劇中では、母のチソ太后の命令で姿を隠している“顔のない王”という設定で、花郎の仲間を得たことで成長していく姿、王になる覚悟が描かれていた。実際の真興王はといえば、領土拡大を推し進め、新羅全盛時代の礎を築いた王、また仏教国家としての理念を確立したとして知られている人物だ。

■『花郎』でパク・ヒョンシクが演じた新羅24代王・真興王の活躍

 祖父(であり叔父)の新羅23代王・法興(ポップン)王が亡くなった540年、わずか7歳で即位した真興王。そのため、成人するまでの10年間はチソ太后が摂政を務めていた。

 一般的には、真興王の時代に創設されたとされる青年組織「花郎」。8世紀の新羅の官吏が書いた『花郎世紀』には、初代・風月主(プンウォルチュ:花郎のリーダー)が真興王によって命名されたのが、即位の年540年となっている。

 7歳の王が……さすがに無理だろう。摂政だったチソ太后が、現代の国防長官にあたる、兵部令の異斯夫(イサブ:新羅を代表する名将軍のひとり。のちに新羅初の『国史』の編纂を真興王に進言するなど、武勲以上の功績あり)とともに始めたと考えられている。

新羅の都が置かれていた慶州の世界遺産、仏国寺 画像素材:PIXTA