ディズニープラスで配信中の韓国ドラマ『愛だと言って』がじわじわと口コミで広がっている。復讐のために近づいた相手が愛の対象となり、互いの殻を開けていく過程を丁寧に描いた秀逸なロマンスだ。丁寧な感情描写とストーリーの切なさ美しさ、俳優たちの好演が相まって、2023年一番の名作と話題を呼んでいる。
なにより心惹かれるポイントは、主人公ドンジンを演じているキム・ヨングァンの魅力だろう。ドンジンは、会社の代表で何もかも手に入れたように見えて、わがまま勝手な母親に振り回され、人生を我慢ばかりしてきた男だ。さまざまな裏切りに遭いつつも、静かに笑い、悲しみも怒りもすべて胸のうちに閉じ込めてしまう彼を放っておけなくなり、彼の幸せを願ってしまう。
189cmの長身、しっかりした筋肉と骨格、均整の取れたスタイルをもつキム・ヨングァンだが、本作では常にうつむき加減で歩く丸みを帯びた背中のフォルムが、もの寂しさ、孤独を物語り、得も言えぬセクシーさを醸し出す。
白シャツにズボンというシンプルな服装で派手さはないが、広い肩に大きな背中、きゅっと締まった腰回りのラインが美しく、寂しそうなのにただ立っているだけで絵になるカッコよさ。さすがモデル出身、歩き方や佇まい、なにげない動きにキャラクターの感情が浮かび、ずっと見ていたくなるのだ。
本作は、ヒロインのウジュ役のイ・ソンギョン、ウジュ3姉弟が居候する家の家主でウジュの同級生ジュン役のソンジュンもモデル出身だ。