――「家族を守る」という言葉が出てきましたが、イルさんにとって家族を守るとはどういうことだと思いますか? ご自身なら家族を守るためにどんなことを優先しますか?

 配慮と思いやり、理解だと思います。それが家族のなかでもっとも大切なことじゃないでしょうか。人と人が一緒に生きていくなかでは、意見が違ったり、誤解したり、様々な問題が起こるものですし、いろんな形で危機が訪れることもあると思います。ただそのときどきで相手の状況を理解し、懸命な判断をして、相手を思いやることを忘れなければ、どんな問題や危機も乗り越えられると思います。それは家族のみならず、仕事する時も同じじゃないかな。すべての対人関係においていえることだと思います。

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 ――ギウにとって家族は痛みを治癒してくれる存在だともおっしゃっていましたが、イルさん自身にとって、つらいときに癒やしてくれるものはなんですか?

 僕はどちらかというと、傷ついたり落ち込んだりしたときは、一人で心におさめ、時間が経つことで徐々に癒されていくタイプです。何か大変なことつらいことがあった場合は、一人で閉じこもって、本を読んだりクラシック音楽を聴いたり、何か集中できるものを見つけることによって、そのつらい考えから抜け出すようにしていますね。生きていれば傷つくこともありますし、でも若いころより今のほうが精神的に柔軟にもなっているので、つらい状況も自分なりに捉え方を変えて楽しめるようにしようと思っています。