――イルさん自身、家族との幸せな思い出として思い浮かぶものがあれば教えてください。
父とは子供の頃にたくさん会話をするような機会があまりなかったように思います。ただ大事なときは、僕の話を本当にちゃんと聞いてくれたし理解もしてくれました。なにか間違いを犯したとしても、次のチャンスをくれましたし、父としては僕が自分で気づいて自分でより良くなろうとすることを願っていたんだろうなと思います。母とはよくデートをしましたね。もともと母とは性格も好みも近いので、一緒にミュージアムに行ったり、おいしいものを食べに行ったりということを楽しみました。そういった意味でも母からはたくさんの影響を受けていると思います。
――この映画を通じて、家族についての考え方や、幸せというものについての考え方に変化がありましたか?
この映画は家族とは何か、その意味をもう一度考えさせてくれる映画だと思います。僕自身も演じながら、家族について考えることがありました。普段は忙しくて家族との時間をなかなか取ることができずにいましたが、これからは一緒に過ごす時間を作りたいなと思いました。
また、両親と自分もある意味一つの縁によってつながっているものだと思います。縁というものにはいつか別れがあるものですし、だからこそ一緒にいられるときに、一緒に幸せな時間を過ごすということはとても大切だなと思いました。
●『高速道路家族』ストーリー
高速道路のサービスエリアを転々とし、テント暮らしをしているギウ(チョン・イル)と3人の家族。サービスエリアの利用者に2万ウォンを借りながら、その日その日を食いつないでいる。そんなある日、すでにお金を借りたことのあるヨンソン(ラ・ミラン)と再び遭遇し、不審に思ったヨンスンによって警察に通報されてしまう。ヨンソンは残されたギウの妻ジスク(キム・スルギ)と2人の子供たちを放っておけず、家に連れ帰り、一緒に暮らすことに。ジスクと子供たちは衣食住の不安のない生活に溶け込んでいくなか、ギウは家族を取り戻そうとある行動に出る……。
●公開情報
『高速道路家族』シネマート新宿ほか全国順次公開中
[2022 年/韓国/128 分]監督・脚本:イ・サンムン
出演:チョン・イル、ラ・ミラン、キム・スルギ、ペク・ヒョンジン
配給:AMG エンタテインメント
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公式サイト:https://kousokudouro-kazoku.jp