そんなソッキの最大の敵であり、とんでも財閥一家の面々が巻き起こすトラブルの数々を粛々と解決していく危機管理チームTOPのボス、ハン・ジェグク(漢字にすると「韓帝国」。強い名前だ)を演じたペ・ジョンオクにも目を奪われる。
もともとは男性キャラクターで準備されていたのだが、ペ・ジョンオクが演じることになった結果、かっこいいヴィラン(悪役)として、圧倒的存在感を発揮。放送当時、「女性悪役の新しい歴史を開いた」「第二の全盛期」と大絶賛を受けた本作の成功は、彼女自身のキャリアのみならず、中堅世代女優の活躍の場を広げたといっても過言ではない。法曹界でのキャリアの挫折の結果、キングメーカーとしての道を選んだハン・ジェグクの決意、その生きざまに注目してほしい。
じゃじゃ馬令嬢モ・ソッキとタッグを組み、事件の真相に挑む誠実な弁護士ユ・ホンド役のイ・ジャンウも魅力的だ。
イ・ジャンウは、1986年6月1日生まれ。2009年の『怪しい三兄弟』以降、『オ・ジャリョンが行く』(2012年~2013年)、『たった一人の私の味方』(2019年)、『人生最高の贈り物~ようこそ、サムグァンハウスへ~』(2020年~2021年)など、長編ファミリー劇で何度もヒットを飛ばしてきた俳優だ。
家族のため、愛する人のため、ものごとにぶつかっていく誠実男子、ひたむき好青年キャラは、これまでイ・ジャンウが何度も当ててきた役どころ。今作でも、信念を貫こうとする弁護士ホンドのまっすぐな姿がよく似合う。正々堂々戦う姿に惚れ惚れする一方、TOPのやり方に染まっていく自分をおそれて悩む姿には、ヒロイン同様に寄り添って慰めたくなるはずだ。
物語のメインはあくまでソッキvsTOPの攻防だが、徐々に信頼を高めていくソッキとホンドが互いを大切に思っている姿が劇中の端々から伝わってきて、ときめくこと必至。ロマンスの行方も期待しよう。