また、ソッキにとっての異母兄、芸術家肌を自認し、映画監督として生きるも穀潰し感満載のモ家長男ワンス役には『金持ちの息子』『愛人がいます』などで知られるイ・ギュハン。コミカルパートを得意とする彼らしい、一見典型的なお気楽御曹司を装っているキャタクターだが、途中からぐっと存在感が増してくるので見逃し厳禁だ。
対して、後継者として父親モ・チョリ(チョン・ウォンジュン)の期待を一身に背負う次男のワンジュン役には『左利きの妻』『帰ってきたファン・グムボク』のキム・ジヌが担う。有能だが、政略結婚の妻とは仮面夫婦6年目。潔癖で、神経質な姿を見せることもあり、ある秘密を隠している。
物語は、この2人の兄を筆頭に、どこか怪しいキャラクターが目白押し。ミニシリーズなので、それぞれの出番はそれほど多くないが、この人が演じるのだからなにかあるはずと感じさせ、目が離せない。
さらに、かつてヒョンビンやチャン・グンソクなどが活躍した大人気シットコムシリーズ『ノンストップ4』のオ旦那ことオ・スンウンや、薄幸キャラクターを得意とするコン・ヒョンジュ、一時期の復讐愛憎劇のプリンス、ヒョン・ウソンのゲスト出演など、長年の韓ドラLOVERSなら懐かしい顔ぶれも楽しめるだろう。
このメンツなら、この一族なら、50話ぐらいの物語でも成功するはず。誤解を恐れずにいえば、長編系オールスターズが集結した、“無駄に豪華な”財閥サスペンスなのである。
●作品情報
『優雅な一族』[2019年/韓国]
演出:ハン・チョルス『貴婦人』『フレンズーfriendsー』、ユク・ジョンヨン 脚本:クォン・ミンス『剣と花』『愛は奇跡が必要』
出演:イム・スヒャン、イ・ジャンウ、ペ・ジョンオク、イ・ギュハン、キム・ジヌ
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