サウォル役を伸びやかに演じているのは、1500倍のオーディションを勝ち抜いた新鋭カン・ユソク。1994年6月10日生まれで今年29歳の彼だが、本作では怖いもの知らずの真っ直ぐな“少年”そのもので、10代に見えるほどだ。
カン・ユソクのデビューは、2018年のドラマ『神のクイズ:リブート』。『僕を溶かしてくれ』でヒロイン(ウォン・ジナ)の大学の後輩役などを演じ、『浪漫ドクター キム・サブ2』では末期の腎不全で運ばれてきた無期懲役囚の救急患者役で出演(韓国オリジナル版で7&8話。日本編集版では15&16話)。全身入れ墨だらけのワケアリ殺人犯が移植手術の前に流す涙が印象的で、号泣エピソードになっている。
また、サスペンスの名作『怪物』では執拗なスクープ記者役、『スタートアップ:夢の扉』では主人公ドサン(ナム・ジュヒョク)をライバル視する双子のソフトウェアエンジニアの兄を演じた。
さらに、学園BLドラマ『ひかり男子高生徒会』ではぶっきらぼうで冷たいが心根の優しい生徒会副会長シヌを繊細に演じ、青春の切なく瑞々しい恋模様を体現、視聴者の心を掴んだ。
『ペイバック〜金と権力〜』では、イ・ソンギュン演じる主人公の甥っ子で、自分の信念に基づき権力と戦っていく検事を好演。メインキャストとして存在感を残し、本作への抜擢へとつながっている。と、これまでのキャリアを見ただけでも、カメレオン俳優ぶりがわかる。デビュー前に兵役済みというのも嬉しい。
イ・ソンギュン、シン・ハギュン、キム・ヘスら演技派たちが所属する事務所HODU&U Entertainmentの期待の新人として今後の活躍にも注目したい。
●『配達人〜終末の救世主〜』ストーリー
時は2071年。彗星が地球に衝突し、砂漠と化した世界。資源が不足する朝鮮半島では、人々は“一般” “特別” “コア”という3つの階級に分けられ、そこにも選ばれなかった者たちは“難民”として惨めに暮らしていた。そんな混沌とした世界のなかで、酸素と生活必需品を届ける“配達人”は、人々の暮らしに欠かせない存在だ。そのなかでも優れた戦闘能力を持ち、“伝説の配達人”と呼ばれる「5-8」(キム・ウビン)は、ある日、配達⼈になることを夢⾒る難⺠の少年サウォル(カン・ユソク)に出会う。
一方、チョンミョングループの後継者リュ・ソク(ソン・スンホン)はある野心を胸に、財力を駆使して新たな安全区域の建設を進めていた。そんななか、サウォルは、家族のように暮らしてきた少女ソラ(ノ・ユンソ)を謎の男たちに目の前で殺されてしまう……。
●配信情報
Netflixシリーズ『配達人〜終末の救世主〜』独占配信中
[2023/全6話]監督・脚本:チョ・ウィソク(映画『MASTER/マスター』『監視者たち』)
出演:キム・ウビン、ソン・スンホン、カン・ユソク、イ・ソム