周囲からすすめられ、予備知識ゼロで韓国ドラマ『ブラッドハウンド』(Netflix独占配信中)を見始めた。借金返済のため闇金の世界に足を踏み入れたボクサーの若者二人が、悪質な陰謀に巻き込まれていくスリリングな物語で、ウ・ドファン(『ザ・キング:永遠の君主』『私の国』)とイ・サンイ(『海街チャチャチャ』)が主人公二人を演じている。
彼らの仲間になるショートカットの若い女性に見覚えがあったが、すぐには誰だかわからなかった。なんと、映画『アジョシ』(ウォンビンと共演)や『私の少女』(ペ・ドゥナと共演)で陰のある美少女を演じたキム・セロンではないか。いつのまにかこんな大きくなって……いや、それどころか、バイクを乗り回したり、スタンガンで敵を倒したりする姿に時の流れを感じてしまった。
■『ブラッドハウンド』のゴヌとウジンをバディとして結びつけた共通項とは?
ところで、このドラマの見どころのひとつが、主人公の二人キム・ゴヌ(ウ・ドファン)とホン・ウジン(イ・サンイ)の名バディだ。
最近のドラマでは、『D.P.-脱走兵追跡官-』のジュノ(チョン・ヘイン)とホヨル(ク・ギョファン)のバディがおもしろかったが、『ブラッドハウンド』の二人にはまた別の味わいがある。
二人はボクシングを通じて知り合うのだが、ある共通項によって一気に距離を縮める。ともに「海兵隊(ヘビョンテ)」出身だったのだ。海兵隊の詳しい説明は省くが、敵国に海から侵入したり、敵国が海から侵入してきたときに迎撃したりする水陸両用の海兵隊は、訓練が特に厳しいことで知られている。
のちにソン・イェジンと結ばれるヒョンビンは、2011年、そんな海兵隊に自ら志願したのだから、大きな話題になるのも当然だった。
◼️海兵隊のイメージ
私が大学に入った頃だから、1980年代後半の話だが、当時の海兵隊員は腕っぷしが強く、飲み屋で酔って暴れる男たち。そんなイメージだった。誤解を恐れずに言うと、海兵隊は荒くれ者の行くところ、学生時代に暴れん坊だった者が矯正されるところ、そんなイメージすらあった。男子のあいだでは街で海兵隊の赤い名札を見かけたら近寄るな!とまで言われていた。