交際相手を殺したという容疑をかけられ、絶体絶命の状況に追い込まれた主人公と彼を助けるためにやってきた弁護士との対話の中から、驚きの真相が浮かび上がる韓国映画『告白、あるいは完璧な弁護』。
25年以上に及ぶキャリアの中で初めてサスペンススリラーに挑んだソ・ジソブとドラマ『ペーパー・ハウス・コリア:統一通貨を奪え』のキム・ユンジンによる息詰まる心理戦から衝撃のラストまで、目が離せない。待望の日本公開を前に行われたユン・ジョンソク監督とのインタビューをお届けする。(インタビュー記事全2回のうち後編)
■ソ・ジソブ主演映画『告白、あるいは完璧な弁護』、監督が語るキャスティングや撮影秘話
――今作は16年にスペインで作られた『インビジブル・ゲスト 悪魔の証明』のリメイクです。韓国を舞台にして新たな作品を作ろうと考えた理由は?
原作を見て、これを韓国に合わせてリメイクしたいという意欲が湧いてきました。さらに脚本を書いてキャスティングし、俳優たちとリハーサルをしながら十分におもしろくできるという自信を持って撮影に入りました。
――撮影前の準備に長い期間を費やしたとうかがいました。具体的にはどんなことをなさったのでしょうか?
山の中の別荘やホテルの部屋といった限られた空間の中で、少人数の登場人物のセリフによって物語が展開します。演劇的な要素も入った作品だったので、俳優たちの微妙な動きを細かくチェックしなければなりませんでした。また、俳優やカメラの動きに合わせる時間も必要でした。そういったことを撮影現場では行うのはなかなか難しいので事前にすることになりました。そのため俳優たちと一緒にリハーサルをたくさん行い、小さな動きや表情まで多くの意見を交わしました。すべてのスタッフとも相談しながら、完全に用意ができた形で現場に行くことができました。