今年で韓流20周年。そのブームのきっかけを作った『冬のソナタ』は、「四季シリーズ」というシリーズの1作である。

「四季シリーズ」とは、“冬ソナ”を演出したユン・ソクホ監督が手掛けた、四季をテーマにした4作のこと。『冬のソナタ』のほかに『秋の童話』『夏の香り』『春のワルツ』がある。

 はじめからシリーズありきで制作を始めたわけではなく、監督が1作目の『秋の童話』の放送後に次回作を考えていた時に、次の作品の放送予定が冬だったため、「それなら四季ごとにシリーズ化しよう」とふと思いついたのだとか。

 はたして、この4作、今観たら、面白いのかどうなのか。

 韓流20周年ということで、久々に観返してみた。作品は、『秋の童話』(2000年)→『冬のソナタ』(2002年)→『夏の香り』(2003年)→『春のワルツ』(2006年)の順に作られていったが、今回はあえて春夏秋冬の順で並べてみる。(記事全3回のうち2回目)

■『秋の童話』悲劇のヒロインは『ザ・グローリーソン・ヘギョ、共演はソン・スンホン、元祖韓流四天王ウォンビン

『秋の童話』は、四季シリーズで最初に作られた作品だ。韓国での放送時には最高視聴率42.3%を記録し、4作の中で最もヒットした。日本では、2002年から2003年にかけてテレビ朝日、BS日テレ、CSホームドラマチャンネルなどで放送された。

 このドラマは、今ではそうそう見なくなった悲劇のヒロインが主人公だ。

 ヒロインのウンソは、兄のジュンソと恵まれた家庭で幸せに暮らしていたが、そんな中、過去に産院での取り違えがあったことが発覚し、ウンソは貧しい実母の家に引き取られる。困窮した暮らしや暴力を振るう実兄、さらには兄妹として育ったジュンソとの禁断の恋、そして白血病までウンソを苦しませ……。

 この産院での取り違えや白血病は、かつてはよくあった韓ドラ設定のひとつで、「おお、懐かしい!」と、久々に見てちょっと失笑してしまった。

 こうした悲劇がいくつ訪れようとも健気に生きようとするウンソを演じるのは、今年、『ザ・グローリー 〜輝かしき復讐〜』で体を張って演技したソン・ヘギョ。今や韓ドラの女王ともいえる彼女のミニシリーズ初主演作で、初々しい姿が拝める。

 そして、そんなヒロインを巡り三角関係を形成する、血の繋がらない兄ジュンソ役にはソン・スンホン、ホテル財閥の息子のテソク役にはウォンビン。

 ウォンビンは、2010年の映画『アジョシ』以降、俳優活動をしていないため、噂しか聞いたことがない人もいるかもしれないが、当時はイケメン俳優の筆頭格で、元祖韓流四天王の1人でもある。

『秋の童話』(C)KBS