インパクトが強い名場面がドラマの印象度を牽引する。それを引き出しているのが、イ・ジュノ(2PM)の颯爽としたスーツ姿であり、イム・ユナ(少女時代)の魅惑的なスマイルだ。さらに言うと、2人はそれぞれが極めて華がある主役なのだが、組み合わさると相性の良さが倍速で際立っていく。ゆえに、ドラマはいかにサイドストーリーが長くなっても、ジュノとユナが2人だけで画面に現れると、見ている人の集中力が自然と高まるのだ。
そんな特徴を持った『キング・ザ・ランド』。物語の舞台となるのは、ゴージャスなキングホテルである。ク・ウォン(ジュノ)は会長の御曹司で本部長を務めているが、愛想のかけらも見せぬ男である。彼の人生には、複雑な家庭環境と失踪で母を失ったというトラウマが暗い影を落としている。
そんな彼に、とてつもない光を当てたのが、最優秀社員のチョン・サラン(ユナ)である。彼女は接客に向いている最上級の笑顔を持っている。それは、顧客だけではなくウォンの哀しさも癒す安らぎに満ちていた。
通常のラブコメと同様に、『キング・ザ・ランド』の主人公2人の出会いは最悪なものだった。しかし、どん底だった関係が右肩上がりに良くなっていく過程に、ときめくような名シーンが挟み込まれていく。最初に「かけがえのない愛」に気づいたのはウォンのほうだった。彼は本部長として職権を活用して有能な女性社員のサランの関心を引き込もうとする。反発ばかりしていた彼女だったが、自分の先入観を失くして心を解放してあげれば、思わぬところに「本物の愛」が自分を迎えてくれていた。