そうした変化には伏線がある。それが2人にとっては済州島(チェジュド)の出来事だった。仕事で出かけた2人はアクシデントによって、さらに小さな離島の加波島(カパド)に宿泊する。このときの時間がウォンとサランの相性の良さを引き出す契機になった。
加波島といえば、人生ドラマとして評価が高かった『私たちのブルース』の中でも、ハン・ジミンとキム・ウビンの2人が演じるキャラクターがデートを楽しむ場面が撮影されていた。そして今回。ジュノとユナが加波島の風景を楽しむ様子が『キング・ザ・ランド』で印象的に描かれていたので、今年の夏はこの島が大いに脚光を浴びることだろう。
ドラマに話を戻すと、ウォンが感じた「愛の目覚め」からサランの「愛の受容」までの2人の心の変化が興味深かった。とりわけ、彼女のスマイルが彼の閉ざされた感情を変えていくプロセスがドラマを彩っていた。しかも、タイの華やかな現地ロケを織り込んだ展開は「ラブコメが持つ非日常の快感」をたっぷり感じさせて、見ていても気分が高揚した。
幸いに共演陣も多士済々だ。ウォンの父親であり財閥会長のク・イルン(ソン・ビョンホ)、ウォンの異母姉で仲が悪いク・ファラン(キム・ソニョン)、サランの親友となる客室乗務員のオ・ピョンファ(コ・ウォニ)と免税店社員のカン・ダウル(キム・ガウン)、ウォンの秘書で道化師のようなノ・サンシク(アン・セハ)。こうしたキャラクターの存在が心強い。
『キング・ザ・ランド』の今後の展開は、ウォンの失踪した母の行方が大きな鍵となる。成長した2人の愛にもかならず「立ちはだかる壁」があり、「それをどう乗り越えるか」を描くことが盛り上がったドラマの命運を握っていく。
●配信情報
Netflixシリーズ『キング・ザ・ランド』独占配信中
[2023年/全16話]演出:イム・ヒョヌク『ライフ』『コッパダン~恋する仲人~』 脚本:チェ・ロム クリエイター:チョン・ソンイル『今、私たちの学校は…』『恋するパッケージツアー』
出演:イ・ジュノ(2PM)、イム・ユナ(少女時代)、コ・ウォニ、アン・セハ