朝鮮王朝時代の名君イ・サン(正祖)の若き姿を、1人の女性を愛した男としての側面から描いた大ヒットロマンス史劇『赤い袖先』。主人公イ・サンを演じたジュノ(2PM)は、俳優として名実ともにトップスターの座を確立した。
キャラクターの魅力と役者の名演、胸キュン度と切なさの絶妙なバランス、美しい映像など、クオリティの高さで、テレビ東京で地上波初放送されるや、SNSでも話題になった本作。見放題独占配信中のU-NEXTでも再生ランキング上位をキープし、テレビ大阪やBSフジでも放送中で、まだまだ熱は続きそうだ。
そんな多くの視聴者を虜にした、王イ・サンと、彼に愛された宮女ソン・ドギム。気になる2人のロマンスを、各話ごとに解説する。(本記事はオリジナル版全17話をもとに紹介。TV地上波放送は日本編集版の全27話。※以下、一部ネタバレあり)
■『赤い袖先』第14話「連れ去られた宮女たち」
●あらすじ
イ・サンは、側近である都承旨(トスンジ)ホン・ドンノの妹で側室に迎え入れた元嬪(ウォンビン)ホン氏のもと、夜を過ごすことになる。宮女ソン・ドギムは王宮で留守番をしているうちに眠ってしまうが、目を覚ますと隣にサンがいた。慌てるドギムに、「お前は私の心をかき乱す」と不満をこぼすサン。
一方、王宮での生活に慣れず、心身ともに弱っていた元嬪が突然、息を引き取る。嘆き悲しむ兄ドンノは、元嬪は殺されたのだと主張する。
そんななか、王宮から次々と宮女が姿を消す事件が起きる。そのなかにはドギムと仲のいいペ・ギョンヒもいた。サンはドンノに宮女たちを捜し出すよう命じるが……。
●見どころ
ドギムの言動がサンをかき乱し、互いの想いとは裏腹に2人がぶつかり合ってしまう切ない回。
王室の決まりゆえ、側室のもとで夜を過ごさなければならないサンは、そんな晩に限ってドギムが王の部屋の番をしていることに胸を痛める。
うとうと眠ってしまうドギムだが、彼女とて苦しんでいないわけではない。側室のもとに出かけ戻らぬ部屋の主サンを夜通し待って番をするのだ。
「待つことに慣れなければ」「何も考えないようにしなければ」
そう努め、サンの前では決して本心を見せない。
そんなドギムの気持ちも知らず、居眠りするドギムに、自分だけが気をもんでいたのかと失笑するサン。「お前は私の心をかき乱す」「(お前のことが)気に触る」という不満とも告白ともとれる言葉の最後に、「お前は私がどれだけ……」と言いよどむサンだが、彼女を見つめる眼差しは愛情にあふれている。
さらに、ドギムはサンをかき乱す。サンの自分に対する想いを知りながら、ドギムは他の女人(側室)に優しくしろというのだ。