ユン・ソクホ監督は「ドラマを作る過程で結末が当初の予定とかなり違ってしまった」とも語っていた。この発言は本当に印象深かった。
「最初の構想ではチュンサンが死ぬことになっていたんですよ。死によって永遠の愛を表そうとする意図でした。しかし、前作の『秋の童話』と似たエンディングになってしまう。
もし『冬のソナタ』だけを考えたら、チュンサンの死によってドラマが終わる展開にこだわったと思いますが、『秋の童話』の繰り返しは避けたいと思い、他の結末はないかと考えてみました。とはいえ、普通のハッピーエンドにはしたくなかった。いろいろと考えた末に、ご覧の通りのエンディングに変えました」
以上のように、20年前のインタビューで印象的な発言を再録してみたが、当時を思い出しても、一つずつの質問に真摯に答えるユン・ソクホ監督の誠実さが心に残っている。
『冬のソナタ』があれほどの名作になったのも監督の感性と表現スタイルが特別に優れていた、ということを今も実感する次第だ。