若手男優の中で常に天才性を認めながら注目しているのがヨ・ジングだ。彼が子役として演じた『太陽を抱く月』のイ・フォン役で早くも「恐るべき大器」であることを実感したが、大人の俳優として出演した『テバク~運命の瞬間(とき)』では、主役のチャン・グンソクから「彼は本当に恐ろしい俳優です」と畏怖を込めて高く評価されていた。

 そんなヨ・ジングは『王になった男』で主役を務めて、国王と道化師という難しい1人2役を完璧に演じ分けていた。こうして本物の天才性を存分に発揮し始めたヨ・ジングは以後も『ホテルデルーナ~月明かりの恋人』や『怪物』でも素晴らしい演技を披露した。

 そして、満を持してヨ・ジングが真価を見せてくれるのが、映画『同感〜時が交差する初恋〜』である。彼が扮した大学生ヨンは1999年の青春を満喫していたが、その姿は自然体で気分のいいキャラクターだった。

ヨ・ジングは主人公ヨンに扮している

『同感〜時が交差する初恋〜』(C) 2022 GOGOSTUDIO INC. ALL RIGHTS RESERVED

■ヨ・ジング主演『同感〜時が交差する初恋〜』、時空を超えた運命の出会いが描かれる恋愛物語

 本作は皆既月食の夜に1台の無線機が奇跡的に二つの時代を繋ぎ、過去と未来という時空を超えた運命の出会いが描かれる感動のラブ・ストーリーだ。

 もともとは、2000年に制作された傑作として記憶に残る韓国映画『リメンバー・ミー』のリメイク作品である。『リメンバー・ミー』はキム・ハヌルユ・ジテの主演だったが、日本でも2001年に吹石一恵と斎藤工の主演で『時の香り~リメンバー・ミー~』というタイトルで映画化されている。

 これほどの名作が今度は、キャラクターの時代設定を入れ替えて新たな話題作として登場することになった。

 1999年に生きる男子大学生ヨンと2022年に同じ大学に通う女子大生ムニが、1台の古い無線機を通して偶然交信したことから2人の奇妙な交流が始まっていく、というのが『同感〜時が交差する初恋〜』の概要だ。

ヨンが古い無線機を動かして奇跡的な出来事が起こる

『同感〜時が交差する初恋〜』(C) 2022 GOGOSTUDIO INC. ALL RIGHTS RESERVED

 ヨン役のヨ・ジングを取り巻くキャスティングも魅力的だ。

 ムニ役には『賢い医師生活』や『今、私たちの学校は…』などの大ヒットドラマで存在感を高めているチョ・イヒョン、ヨンの後輩ハンソル役に『SKYキャッスル〜上流階級の妻たち〜』のキム・へユン、ムニの幼馴染ヨンジ役に『王女ピョンガン 月が浮かぶ川』で一気に大ブレークしたナ・イヌという顔ぶれになっている。

チョ・イヒョンが2022年の女子大生ムニを演じている

『同感〜時が交差する初恋〜』(C) 2022 GOGOSTUDIO INC. ALL RIGHTS RESERVED