『同感〜時が交差する初恋〜』のストーリーを見てみよう。
まずは1999年が描かれる。それは皆既月食の夜だった。韓国大学機械工学科の学生ヨンは、無線機を通して見知らぬ女子大生ムニと交信を始める。偶然だが同じ大学に通っていることがわかり、翌日大学構内で会う約束を交わした。しかし、約束の時間を過ぎてもムニは現れなかった。それは仕方がなかった。なんと、ムニが生きていたのは2022年の世界だったからだ。
そういう事情もわからず、無線機を通して互いに相手のすっぽかしを責めるヨンとムニ。話がまったく噛み合わないのだが、何度かの交信を経て、ようやく自分たちが違う時代を生きていることを悟っていく。信じられない状況に驚愕しながらも、２人には不思議な連帯が生まれ、ムニにとってヨンは大切な存在になっていくのだが……。
こうした展開の中で感じるのは、「ノスタルジー」と「現実性」の両面だ。古き良き時代を気持ちよく回顧しながら変わっていった現代を鋭く見通していく……このように二つの視点を交差させる時間軸の変化を映画は巧みに描いている。脚本も手掛けた新進気鋭のソ・ウニョン監督の手腕に心から感心した。
主役ヨ・ジングのさすがの演技力、充実した共演陣、名作のリメイクに挑んだ監督の優れた演出力、時代の繊細な空気を鮮やかに再現した映像の力。すべてが結集して注目の話題作となった『同感〜時が交差する初恋〜』は、2月9日からシネマート新宿や他にて全国で順次公開される。
●映画公開情報
『同感〜時が交差する初恋〜』
監督・脚本：ソ・ウニョン
出演：ヨ・ジング、チョ・イヒョン、キム・ヘユン、ナ・イヌ
公開日：2024年2月9日（金）よりシネマート新宿や他にて全国順次公開
配給：KADOKAWA、KADOKAWA Kプラス
提供：KADOKAWA Kプラス、ムービーウォーカー
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