とても不思議な気持ちがした。

 最近、韓国ドラマ無人島のディーバ』でパク・ウンビンと共演していたチェ・ジョンヒョプが、今度は一転して日本のドラマ『Eye Love You』(TBS系)で二階堂ふみを相手役に爽やかな好青年を演じているとは……。

 それは、日本と韓国のドラマがこんなに近くなったという証明なのか、あるいは、日本語を巧みにこなすチェ・ジョンヒョプの柔軟な演技力が際立っているのか。そんな風に驚きをもって今回の『Eye Love You』を見ていた。

■『Eye Love You』テオ役を好演したチェ・ジョンヒョプ、韓国語のセリフの魅力

 このドラマでは、相手の心の声が聞こえる「テレパス」を持つ侑里(二階堂ふみ)と、ストレートな感情表現ができる年下の韓国人男性テオ(チェ・ジョンヒョプ)が、ハラハラするようなラブロマンスを繰り広げていく。その中で、チェ・ジョンヒョプの器用さが目立っていた。

「どこで日本語を覚えたのか」

 そう感心するほどチェ・ジョンヒョプは巧みだった。韓国語には「ぜ」という発音がないので、その点で苦労している部分があったが、それでも彼の話す日本語には自然体の素直さがあった。

 相手役が二階堂ふみであったことも幸いだった。10年前くらいだったか、まだ20歳前後の二階堂ふみがキム・ギドク監督と対談した記事をよく覚えている。

 その対談で韓国映画への憧れを二階堂ふみが熱心に語っていた。「ぜひ韓国映画に出たい」という発言もあった。それほど韓国への情熱を語っていた二階堂ふみが、韓国の人気俳優と共演したことは本当によかった。

 ドラマの影響力は大きい。この『Eye Love You』を見て韓国語を話してみたいと思った人も多いのではないか。

 実際にSNSを通してドラマのファンが韓国語への興味を示す投稿をよく目にした。私は『新版 韓国ドラマ&K-POPがもっと楽しくなる!かんたん韓国語読本』という韓国語レッスン書を出版したばかりなので、その心情がよくわかる。