筆者は韓国の各地を取材旅行しているが、これまでに二度、トラクターの荷台に乗せてもらったことがある。

 それはいずれも韓国本土から船で行った離島だった。旅客も乗せる貨物船が港に着くと、荷物を受け取るために島人たちがクルマやトラクターで集まってくる。

 そのなかから、人のよさそうなおじさんに声をかける。こう言ってはなんだが、ミジンアッパ(父親)に扮する「となりのおじさん国家代表」の俳優チョン・ソギョンのような人なら成功確率は高い。

 筆者「よかったら荷台に乗せてもらえませんか?」

 島人「市街地までならいいよ」

 島ではたいてい港から離れたところに住宅や商業施設が集まっているのだ。

 トラクターは時速10キロほどでゆっくり走るが、荷台はあくまでも荷台。クッションなどない。舗装路でも乗り心地はけっしてよくないが、島の風を浴びながら海や田園風景を眺めると、その旅情は格別だ。

『Missナイト&Missデイ』には、今後もケ・ジウン検事の心を解きほぐすためにどんなアイテムが登場し、どんな人間模様が展開されるのか、とても楽しみである。

済州島の東にある牛島でトラクターに乗せてもらい、ご機嫌の筆者