――アン・ウンジンさん演じるヒロイン、ギルチェを救うために、大勢の敵と一人で戦うなど、戦闘シーンも見せ場が多かったですね。

「そのとおりです。なんで僕はいつもこんなにケンカ上手なキャラクターに出会うんでしょうね。5、6人を相手に切りつけるような役ばかり。

 今回は刀を使っていますが、僕は運動神経がいいからすぐ慣れると思っていたんですけど、序盤はかなりぎこちなかったですね。だからアクションスクールに通って一生懸命練習しました。

 劇中、ギルチェが捕虜市場に売られそうになり、僕が奴隷商人を懲らしめるシーンがあるんですが、もともとはなかったシーンです。ギルチェをいじめた奴を見過ごしたくないと作家さんに話して、書き直してもらったんです。

 それまでのシーンが刀でリアルに戦うアクションだとすると、あそこは少し武侠っぽく立ち回ってみたいと、武術監督と相談しながら一緒に作りました。同じようなアクションばかりだと飽きちゃいますからね」

――ほかにも、ナムグン・ミンさんから作家さんや監督に提案したことはありますか?

「序盤でイ・ジャンヒョンがギルチェを救った時、それまではケンカどころか逃げてばかりいる男のフリをしていたのに、いきなりケンカ上手になりましたよね。唐突すぎると思って作家さんに提案したところ、ギルチェと彼女に仕える小間使いチョンジョンイの会話にすごくいいセリフを入れてくれて……。それが『いかさま師め…』『ああいういかさま師なら大歓迎  時々(チョンジョン)だまされたい』でした。

 途中で作家さんが一度現場にいらして『これから撮影するところに服を脱ぐシーンを入れてもいいか、スケジュールは大丈夫か』と聞いてきました。撮影で運動する時間が取れないので、家で1カ月くらいマシンを使って体を作りました。記憶を失ったシーンです。

 ギルチェにキスしようと近づく時、セクシーさが必要だということで。努力しましたよ」(後編に続く)

写真:ナムグン・ミン(撮影:イ・ジュンヨン)

●ナムグン・ミン Profile

1978年3月12日生まれ。中央大学校機械工学科卒業。大学時代から芸能活動に興味を持ちオーディションを受け続け、2001年映画『バンジージャンプする』でデビュー。下積み生活の後、『私の声が聞こえる』(2011年)で注目され、『キム課長とソ理事〜Bravo! Your Life〜』(2017年)、『ストーブリーグ』(2019年)でを発揮、“外さない男”の異名を取る。

●『恋人〜あの日聞いた花の咲く音〜』ストーリー

1636年、春。両班令嬢ユ・ギルチェ(アン・ウンジン)は親友キョン・ウネ(イ・ダイン)の婚約者、ナム・ヨンジュン(イ・ハクジュ)に片想い中だ。だが、花摘祭りの日に現れた謎の男イ・ジャンヒョン(ナムグン・ミン)に付きまとわれるようになり、反発しつつも気になるように。そんな中、清(後金)の軍隊が朝鮮に攻め込んできたという知らせが届く。ヨンジュンら儒生は軍に参加するため村を出発。一方、江華島方面へ避難するギルチェらを見つけた後金軍の魔の手が近づくころ、ジャンヒョンがギルチェを助けにきて……。

●作品情報

『恋人〜あの日聞いた花の咲く音〜』

[2023年/全21話]演出:キム・ソンヨン、イ・ハンジュン、チョン・スジン 脚本:ファン・ジニョン

出演:ナムグン・ミン、アン・ウンジン、イ・ハクジュ、イ・ダイン

DVD-SET1〜3 各14,740円(税込)順次発売中/全21巻順次レンタル中/U-NEXT独占先行配信中

発売・販売元:NBCユニバーサル・エンターテイメント