■『偶然かな。』ロケ地、趣のある徳寿宮トルダムキルは見どころ満載

 初回に2人がバスの中で出会い、高校へと急ぐシーンがある。校門の前では、教師が遅刻者を罰している。2人が通う五福高校の正門前での撮影は、ソウル市中区にある梨花(イファ)女子高校で行われた。

 同高校は、「徳寿宮トルダムキル」と呼ばれる、石垣の塀が続く道路にある。ソウルに現存する朝鮮王朝時代5大王宮のひとつ、徳寿宮(トクスグン)の南側から、ソウル城郭の西門である敦義門(トニムン)址へと伸びる道だ。

 趣のあるトルダムキルは、紅葉の名所として有名だ。紅葉の季節を迎えると、街路樹のイチョウの木が黄色く染まり、黄金色のカーペットのように広がる落葉を楽しむことができる。

『偶然かな。』の撮影が行われたトルダムキルは近代建築や美術館、劇場など見どころが満載だ

 徳寿宮側からトルダムキルに入ると、すぐ左手にソウル市庁西小門庁舎がある。この建物の13階には貞洞(チョンドン)展望台があり、無料開放されている。高い位置から徳寿宮やソウル市庁舎を見下ろし、ビル群の奥にそびえる北岳山を一望できるお気に入りの場所だ。

ソウル市庁西小門庁舎の13階にある貞洞展望台からは徳寿宮やソウル市庁舎、北岳山などが一望できる

 さらに進むと、ソウル市立美術館や貞洞劇場など、芸術・文化スポットもある。

 貞洞劇場の向かいには、1885年に設立された貞洞第一教会がある。韓国最初のプロテスタント教会であり、1918年に礼拝堂に韓国最初のパイプオルガンが設置されるなど、「韓国初」の歴史をもっている。

 カナダ大使館のそばに立つ樹齢500年のエンジュの木や近代建築など、トルダムキルには見どころが満載だ。

トルダムキルにある韓国最初のプロテスタント教会である貞洞第一教会
トルダムキルのカナダ大使館そばにある樹齢500年のエンジュの木