その後は、ファンからの質問コーナー。初の悪役についての感想を訊かれると、「サイコパスの考えをイメージしながら演じなければならなかったので、それがつらかった。普段は作品が終わるとすぐに本来の自分の戻るタイプだが、この役は抜けるまで結構時間がかかった。休暇で済州島に行ったとき、車を運転しながら海を見て、涙が止まらなくなった。そのとき、思ったよりつらかったんだなと自覚した」と、当時の心情を明かしてくれた。

 つらかったのは、テギョン本人だけではない。最終話でジュヌが無惨に殺される場面では、「母はずっとヴィンチェンツォを応援しながら観ていたけれど、このシーンでは『私の息子がぁ……』と泣いていた」と告白。悪役は、見る家族もつらいことを明かしてくれた。

 ちなみに、次回悪役をやるなら、「人を殺すのではなく、詐欺師のような役がいい」という話も。たとえドラマでも、人を殺す役は苦しいようだ。

 また、客席をABCDの4ブロックに分け、テギョンに伝えたいメッセージをブロックごとに担当分けし、一斉にさけんだとき、果たしてテギョンは聞き取れるか?というチャレンジも。が、まったく聞き取れないテギョンのために、なんとトロッコが登場。ブロックごとに客席の近くまでトロッコに乗って移動し、そこで再度、ファンの声を聞くことに。

 トロッコで移動中は、ファンのうちわのメッセージに応え、ハートポーズをしたり、「お誕生日おめでとう!」と声をかけたりと、完璧なファンサービスで観客のハートを射抜いていた。

 ちなみに、メッセージは「テギョン」「すべての」「瞬間が」「奇跡」だったのだが、「テギョン」「すべての」までは聞こえたものの、「週末が」「ステーキ」に空耳したようで、自分でツボに入っていたのもおもしろかった。

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 さらに、テギョンからのプレゼントとしてフォトタイムも。ここで、再びトロッコに乗って会場を周遊。客席の後方までまわり、くまなくファンとの交流を楽しんでいた。

 最後は、「また会える日まで、風邪など引かないようにしてくださいね」とファンへの気遣いを見せたテギョン。年末には、テギョンが出演した日本映画『グランメゾン・パリ』も公開。日本のファンの会える機会も増える模様だ!

●オク・テギョン Profile

1988年12月27日生まれ。186cm。2008年、“野獣アイドル”2PMのメンバーとしてデビュー。2010年、ドラマ『シンデレラのお姉さん』で俳優活動を本格スタート。アーティストを目指す若者たちの夢と恋、友情を描いた大ヒット作『ドリームハイ』で注目を集め、以降、ロマンスのみならず、ヒューマン、サスペンスと幅広く作品を選択、俳優としても独自の立ち位置を築いている。おもな出演作に、『ハートビート』(2023年)、『御史(オサ)とジョイ』(2021年)、『ザ・ゲーム〜午前0時:愛の鎮魂歌(レクイエム)〜』(2020年)など。