■『貞淑なお仕事』クムジェの市場や街並みのロケ地忠清南道、論山・陽村

『貞淑なお仕事』は、ノスタルジーを感じさせる1990年代のレトロなファッションや街並みも、見どころのひとつだ。

 劇中に登場する市場やジョンスクたちの住む家の撮影は、忠清南道・論山(ノンサン)市の陽村(ヤンチョン)で行われた。

 韓国中西部に位置する論山市は、三国時代に百済に属し、階伯将軍が率いる5千決死隊と新羅のキム·ユシンが率いる5万軍隊が百済最後の決戦を行った場所だ。

 そんな論山市の南東部にある陽村は、1年を通じて日当たりがよく、澄んだ水と美味しい空気に恵まれていることから、「陽村」という名が付いたという。

 陽村は、糖度が高いイチゴの産地として有名だ。また、標高878メートルの大屯山(テドゥンサン)と接しているため、昼と夜の寒暖差が大きく風通しもよいことから、昔ながらの自然乾燥での干し柿作りも盛んである。

 そんな陽村に100年、3代に亘りマッコリを作り続ける醸造場がある。1920年に家内醸造場として創業、1931年に現在の地に伝統韓屋の醸造場を建てマッコリ造りを始めた。

 米やもち米、美味しい水を使って昔ながらの伝統製法で醸すマッコリは、すっきりと爽やかな味わいだ。近所の住民が、毎日のように晩酌のためのマッコリを買いに訪れるほど、地元民に愛される醸造場だ。

『貞淑なお仕事』のロケ地、忠清南道、論山市・陽村にある100年、3代続く醸造場が醸すマッコリ
100年、3代続く陽村醸造場は、近所のハラボジやハルモニがその日に飲むマッコリを買いに訪れる、そんな庶民的な酒蔵だ
陽村醸造場の内部。半地下は醗酵室、中2階は麹を混ぜた米を寝かせる場所となっている

●論山市へのアクセス

ソウル高速バスターミナルから論山バスターミナルまで約2時間10分。