「フィクションより刺激的なことをするのはやめてほしい!」
一昨日の夜から昨日の朝にかけての非常戒厳令騒ぎで、韓国の多くのドラマや映画関係者たちがそう思ったに違いない。韓国の大統領は退任間近になって騒ぎを起こすことが少なくない。例えば2012年の李明博(イ・ミョンバク)大統領の竹島訪問などは記憶に新しいだろう。戒厳令について深夜から朝にかけて多くの韓国の友人知人と話したが、未明に解除されホッとしたのだろう。最初は怖がっていた者も、朝には笑っていた。
■銃撃戦に頼らない独自世界を確立したKゾンビの世界
怖さと可笑しさで思い出したのが、最近観始めたNetflix配信のゾンビバラエティ『ゾンビバース:ニュー・ブラッド』だ。
エピソードは前作(シーズン1)の続きで、ノ・ホンチョル、イ・シヨン、テヨン(少女時代)ら芸能人一行が実名で登場し、ゾンビから逃れるためソウル、済州(チェジュ)、江陵(カンヌン)を行脚する。
前作ではあまり意識しなかったが、本作を観ると、Kゾンビは他国のゾンビものにはない独自のおもしろさを確立したことがわかる。
コン・ユ、マ・ドンソク、チョン・ユミ出演映画『新感染 ファイナル・エクスプレス』、ユ・アイン、パク・シネ出演映画『#生きている』、Netflixドラマ『今、私たちの学校は…』など、Kゾンビに共通するのは、欧米のゾンビものと比べ、銃を使うシーンが少ないことだ。
日本同様、韓国も銃社会ではないので当然と言えば当然だが、銃で頭部を破壊するシーンがないだけで凄惨さはだいぶ薄れ、目を覆わなければならないシーンは激減する。
『ゾンビバース:ニューブラッド』には上記の3作よりさらに観やすい点がある。前述した発砲シーンがないだけでなく、斧で斬首したり、金属バットで殴打したりするシーンもほとんどないのだ。