■『少年時代』の舞台、忠清南道・扶余はどんなところ?

 韓国中西部に位置する忠清南道・扶余は、三国時代に、漢城(現・ソウル)、熊津(現・公州)に続き、百済の3番目の都である泗沘(サビ)があった場所である。

 百済は唐と新羅の連合軍との戦いに大敗したため、現存する遺跡は大変少ない。とはいえ、泗沘城の重要な砦となった扶蘇山城や、百済の典型的な建築様式を用いた建てられた定林寺址をはじめとした4か所が「百済歴史遺跡地区」としてユネスコ世界文化遺産に登録されている。

扶余を代表する観光地のひとつ、定林寺址に残る五層石塔

 また、国立扶余博物館に展示されている「百済金銅大香炉」は、トップの鳳凰や台座の龍など、その精巧な細工のすばらしさに目が釘付けになるはずだ。

 仏教文化が色濃く残る扶余では、蓮の葉に包んだご飯を蒸しあげた「蓮の葉包みご飯」というグルメも楽しめる。

陵山里寺址から発掘された百済金銅大香炉(国立扶余博物館・所蔵)

●扶余へのアクセス

ソウル南部バスターミナルから扶余市外バスターミナルまで約2時間40分。