豊かな表情と抜群の演技力で、コメディからシリアスまでどんな役でもこなし、人々を魅了するシン・ヘソン(『私のヘリへ ~惹かれゆく愛の扉~』『サムダルリへようこそ』『生まれ変わってもよろしく』)。彼女の主演映画2本が、現在日本で公開中である。

 1本目の『#彼女が死んだ』は、他人の人生を盗み見ることが趣味の不動産公認仲介士ク・ジョンテ(ピョン・ヨハン)が、インフルエンサーのハン・ソラ(シン・ヘソン)の家に忍び込んだところ、ソラの遺体を発見するというサスペンス・スリラー。

 もう1本は、イ・ジュニョン(元U-KISS)との本格的なアクションシーンが話題の『勇敢な市民』だ。本映画の原作は、韓国で大人気の同名のウェブトゥーンである。(以下、一部ネタバレを含みます)

■シン・ヘソン&イ・ジュニョン主演、アクションコメディ『勇敢な市民』ストーリー&見どころ

●『勇敢な市民』ストーリー

 13年前にある理由で、ボクシングのオリンピック代表選手の座を諦めたソ・シミン(シン・ヘソン)。そんな過去を隠し、シミンは非正規雇用の教員としてムヨン高校に着任する。

 ムヨン高校は、表向きは優良な学園を装っているが、実態は権力者の家族に守られ、暴行や暴言を繰り返すハン・スガン(イ・ジュニョン)という学生に支配されていた。

 シミンは、先輩教員のイ・ジェギョン(チャ・チョンファ/『海街チャチャチャ』)から、「正規雇用されるまでは、何事も見て見ぬふりをするように」と言われる。

 そんな助言に従い、猫を被った「小市民(韓国語で「ソシミン」)」として過ごすシミンだったが、スガンのいじめの標的となっている学生コ・ジニョン(パク・ジョンウ/『20世紀のキミ』)から助けを求められ、心が揺らぐ。

 悪びれもせず暴力を繰り返すスガンの態度に怒りが頂点に達したシミンは、猫のマスクを被って正体を隠し、スガンとの戦いに挑む。

●『勇敢な市民』見どころ

D.P.-脱走兵追跡官-』では、父や恋人に金の無心をする暴力的な脱走兵役。『予期せぬ相続者』では財閥の婚外子として生まれたため、その存在を認められず、トップに立つという夢をもつ野心家を演じたイ・ジュニョン。

 すっかり悪役が板についたイ・ジュニョンは、本映画でも恐ろしいほどの「悪魔」スガンに徹している。

 そんなスガンに挑むシミンを演じるシン・ヘソンは、半年にわたリ、身体づくりやトレーニングを積んできたという。それだけに、シミンとスガンのアクションシーンは、迫力と緊迫感があり、手に汗握るシーンの連続だ。

 特に約172センチという長身のシン・ヘソンが繰り広げるかかと落としが圧巻で、気分をスカッとさせてくれる。

 スガンの容赦ない暴力シーンが続くなかで、ボクシングジムのトレーナーでもあるシミンの父親ソ・ヨンテク(パク・ヒョックォン/『照明店の客人たち』『いつかの君に』)とチキン店の店長(イ・ジュンオク/『無人島のディーバ』)の存在が、心を和ませてくれる。

 先輩教員のジェギョンを演じるチャ・チョンファは、『哲仁王后〜俺がクイーン!?』『生まれ変わってもよろしく』でもシン・ヘソンと共演しており、2人の息はぴったりだ。

 監督は、映画『私の愛、私のそばに』『ユア・マイ・サンシャイン』のパク・ジュンピョが務めている。

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●公開情報

映画『勇敢な市民』公開中

[2023年/韓国/112分]原作:キム・ジョンヒョン 監督:パク・ジンピョ

出演:シン・ヘソン、イ・ジュニョン、パク・ジョンウ、パク・ヒョックォン、チャ・チョンファ ほか

配給:KADOKAWA 、KADOKAWA Kプラス

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