傑作が多い韓国ドラマで「三大名作」を選ぶときは、どんな切り口にするかが大きなポイントになる。今回は、「人生ドラマとして内外に大きな影響を与えた」というテーマで3つのドラマをピックアップしてみた。まさに究極の「三大名作」となった。(以下、一部ネタバレを含みます)

■『愛の不時着』(2019~2020年)

 コロナ禍で在宅率が高まったとき、配信サービスによって韓国ドラマの愛好者が増えた。その起爆剤になったのが『愛の不時着』だ。筆者の周囲でも、この作品で韓国ドラマに目覚めた人が多かった。

 まず、ソン・イェジンが演じた財閥令嬢が、パラグライダーの事故で北朝鮮に不時着するという設定が卓越していた。そのヒロインを救うのがヒョンビンの扮した凛々しい兵士。この主役コンビは申し分がない。

 ドラマの前半では北朝鮮の生活ぶりが生々しく描かれていて興味深かった。後半に入ってから舞台は韓国へ、そして、ヨーロッパ。物語の広がりがワールドワイドになって、感動的なシーンも増えていった。

 しかも、ヒョンビンとソン・イェジンは素敵なラブロマンスを演じたあとに、実生活でも結婚して幸せな日々を過ごしている。アフターストーリーも完璧だった。

Netflixシリーズ『愛の不時着』独占配信中

●配信情報

Netflixシリーズ『愛の不時着』独占配信中

[2019年~2020年/全16話]演出:イ・ジョンヒョ 脚本:パク・ジウン

出演:ヒョンビン、ソン・イェジン、ソ・ジヘキム・ジョンヒョンオ・マンソクキム・ヨンミンキム・ジョンナンキム・ソニョン、ファン・ウスレ

■『梨泰院クラス』(2020年)

『愛の不時着』で韓国ドラマに魅せられた人たちが、次に没入したのが『梨泰院クラス』だった。

 パク・ソジュンが演じたパク・セロイは、次々に悲惨な目に遭った。高校を中退させられたし、父親も殺された。カタキは、外食産業の大手チャンガ・グループの会長と息子だ。2人への復讐を誓ったセロイ。監獄に入った後の生き方がとてつもない。社会に復帰したあとも重労働で資金を貯めていく。

 チャンガ・グループを倒して自分が外食産業のトップに立つ、という壮大な目標があるから、絶対に諦めなかった。梨泰院で居酒屋をオープンしてからは、仲間と一緒に協調することが特に大事だった。セロイのその姿は「信頼と友情」にあふれ、間違いなく人間ドラマの主人公として最高のナイスガイであった。

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Netflixシリーズ『梨泰院クラス』独占配信中

[2020年/全16話]演出:キム・ソンユン 脚本:チョ・ガンジン

出演:パク・ソジュン、キム・ダミユ・ジェミョンクォン・ナラキム・ドンヒアン・ボヒョンキム・ヘウンリュ・ギョンスイ・ジュヨン、クリス・リヨン